内容説明
黒羽二重に草覆ばき、月代こそ伸ばしているが気品のある風貌で刀の柄糸の白さの際立つ素浪人、松平源四郎が鼻唄を口ずさみながら深夜の本所回向院裏をさまよっている前に突如、背に一刀をくらって下半身血まみれの町人が現れ、“これを深川『亀清』のお袖さんに…”といって小袋を差し出し息絶えた!そこへ、町人を追っていた黒頭巾が四、五人駆けつけ、争いとなった!が、その腕前には格段の差があり、源四郎は美声とともに立ち去った!『亀清』を訪ねた源四郎だったが、店にはそういう女はいないということであった…!?預かった謎の小袋は…!?そして、お袖とははたしていかなる女性か…!?―夜鴉組とは…!?そして、身分を隠す松平源四郎その人の正体とは…。