内容説明
大盗石川五右衛門としてその名を残す伊賀忍者・文吾の哀れにも多情多感な一生を活写する忍法小説の傑作!直木賞作家早乙女貢の快心長編「忍法秘巻」!文吾は師楯岡ノ道順の女をさらって伊賀を出奔した。そのあとを追う道順を、文吾はさながら木偶のように、まっこう唐竹割りに切ってすてたのであった。時に天正十一年、反逆児明智光秀を討った豊臣秀吉は、着々とその天下統一の駒をすすめていた。秀吉を生涯の仇敵としてつけねらう文吾のまえに立ちふさがる忍者“虹トカゲ”とは?徳川家康の陰ノ臣として働くは伊賀上忍服部半蔵の虚々実々の忍者合戦!文吾はいかにして石川五右衛門に変身したのであろうか?興趣つきぬ忍法小説の醍醐味。