春陽文庫<br> 錯乱 (新装)

春陽文庫
錯乱 (新装)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 224p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784394121022
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

信州松代十万石の藩士堀平五郎は、武骨だが諸事円満な性情で、将棋の駒づくりを唯一の趣味にする、妻女久仁との間には息子がひとりという平凡な人好きのする人物であった。藩祖真田信之にも好かれていたが、一大事が出来した。現藩主の信政が卒倒し、城下は騒然となった。卒倒三日後、信政は没した。死の床にあって信政を悩ましたのは、暴君型の甥、分家の信利の存在であった。はたして愛児への家督は無事に許されるのか…。堀平五郎の目は異様な鋭い光を放っていた。(「錯乱」)―第四十三回直木賞受賞作「錯乱」の他、百姓娘に欲情した信州上田藩士を描く「碁盤の首」、松代藩内抗争事件を描く「刺客」、夜ごと男女交合秘図描きに没頭する火付盗賊改めを描く「秘図」、そして薩摩藩の暴れ者中村半次郎を描く「賊将」の四編を収めた傑作短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

159
第43回(1960年)直木賞。 真田家松代藩のお家騒動を題材に 隠密の無情さを描いた作品である。 真田信幸・酒井忠清の老獪さと、隠密 堀平五郎の対比が見事である。底に流れる 過酷な人生を 受け止める 隠密の心得が 健在の昔ながらの 作品だった。2019/05/17

kaizen@名古屋de朝活読書会

141
【直木賞】錯乱はじめ、賊将、刺客、碁盤の首、秘図の時代小説。時代小説は得意ではない。よく調べて書くなと感心する。人と人の繋がり、時代、世の中をうまく表現している。錯乱は、密偵の話。お互いに欺し合いの世界。婦夫、親子の間でも、仕事を引き継ぐ以外の目的では知らせない。賊将は、薩摩の罪人の息子が陸軍少将になる話。幕末の動乱期における人間の生き様が分かる。2014/02/11

kaoru

32
面白い。表題作は、陰謀、策略渦巻くやりとりも、隠密として屈折した生き方をする主人公も秀逸すぎで、短編だけど中身が濃い濃い。他の短編も相反する感情に苦悩する主人公の姿が丁寧に描かれていて、さすがの面白さです。2017/07/12

きのこ

25
第43回直木賞。表題作で受賞したようですが、個人的には最終話の「賊将」が好みです。やっぱり薩長・大政奉還・西南戦争あたりの実話には感じ入っちゃうな。著者、初読みかも。2016/09/07

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15
長らく古本市場で春陽堂版『錯乱』(春陽文庫)を探し求め、やっと手に入ったので期待して少しずつ読んだ。主従関係と正義との狭間で苦悩する武士とか、御家と友情を天秤に掛けねばならない武士とか、武士もリアルガチに辛い。でも話はとても良くできている。「秘図」は変化球だけど、これが一番人間臭くて面白かった。「賊将」は悲しい歴史の断片。2017/12/01

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