出版社内容情報
生死は眼前にあり……
創造と探究のオデッセイ
傑作オペラ『紫苑物語』を経て、さらなる飛躍を遂げようとした矢先、69歳の若さで他界した作曲家が志向したものは何だったのか。世界の現代音楽シーンをリードしてきた西村朗の豊饒な創造精神を綿密に読み解いた労作。初期作品から培われてきた独自の作曲技法による斬新な音響創出の軌跡。音楽のあらゆるジャンルに全身全霊没頭してきた創造者の死生観から宗教と芸術の関わりまで、西村朗という稀有な作曲家の核心を見据える尖鋭な批評の眼差し。
内容説明
生死は眼前にあり…創造と探究のオデッセイ。全身全霊、根源音響を希求し続けた作曲家の核心に迫る尖鋭なクリティーク。
目次
プロローグ 高畑への道 『12奏者と弦楽のための“ヴィカラーラ”』
鴫野・原光景1
鴫野・原光景2 『ギター協奏曲“天女散華”』
寂光院にて 『寂光哀歌』
声の筆法―レコーディングで 歌曲『涅槃』『輪廻』
西村と朔太郎の言語体質1 『「青猫」の五つの詩』
西村と朔太郎の言語体質2 「詩魂」と「歌霊」
合唱の原点 『汨羅の淵より』
日本万国博覧会1970
光、来たれり 『オーケストラのための耿』
「血の匂い」と永平寺の音声 『慧可断臂』『華開世界』
ヘテロフォニー1 『弦楽四重奏のためのヘテロフォニー』と『ケチャ』
ヘテロフォニー2 『雅歌1~4』
ヘテロフォニー3 『2台のピアノと管弦楽のヘテロフォニー』
ヘテロフォニー4 ヘテロフォニーとは何か
ヘテロフォニー5 『リグ・ヴェーダ』とヘテロフォニー
ヘテロフォニー6 『太陽の臍』
邦楽器の領分1 篳篥と箏
邦楽器の領分2 尺八と雅楽
音狂の地層 『星辰神楽』(1992年)に至る5年〔ほか〕
著者等紹介
丘山万里子[オカヤママリコ]
東京生まれ。桐朋学園大学音楽学部作曲理論科音楽美学専攻。同大学助手を経て「毎日新聞」「音楽の友」等に執筆。「音楽現代」誌第1回新人評論新人賞受賞。87年ウィーン、92年ミュンヘン遊学。1999年音楽批評紙ブリーズ創刊編集発行人。2010年まで日本大学文理学部非常勤講師。2004年Web Magazine“JAZZTOKYO”副編集長。2015年よりWeb Magazine“Mercure des Arts”創刊編集発行人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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