出版社内容情報
厳格な規範や習慣に縛られながらも人生を謳歌し、後世の人々を魅了してきた平安貴族の女性たち。生活や習俗、人間関係、恋愛結婚事情など、生涯を年代ごとにつまびらかにし、時代を超え共感を呼ぶ女性たちのドラマに迫る。平安時代、古典文学の魅力満載の書!
内容説明
彼女たちは平安の世をどのように生きたのか?誕生から成長・結婚・出産・キャリア・終活まで、貴族女性の生涯を掘り下げ、宮廷での生活、愛憎渦巻く人間関係、人生の哀歓に迫る。驚きと共感に満ちあふれた、“あはれ”で“をかし”な女子のリアル!
目次
1 幼き日々
2 見目麗しい姫君となる
3 素敵な女君となるために研鑽を積む
4 夢見る結婚
5 天皇の后となる
6 日々の暮らしの楽しみ
7 キャリアウーマンを目指す
8 神に仕える内親王と女王
9 平安女子の終活
著者等紹介
鳥居本幸代[トリイモトユキヨ]
1953年生まれ。同志社女子大学家政学部卒業。京都女子大学大学院修了、家政学修士。神戸女子短期大学助教授・姫路短期大学助教授・姫路工業大学環境人間学部助教授・京都ノートルダム女子大学生活福祉文化学部教授を経て、京都ノートルダム女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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もえ
25
平安時代の貴族の娘たちのファッション、実際の暮らしぶりや仕事、終活に至るまでを解説したもの。先週の大河ドラマ「光る君へ」は、ヒロインのまひろが裳着の儀をするところから始まっていたが、本書にも成人の儀式として取り上げており、ドラマを観る際の参考になった。裳着において重要な役割は、裳の腰紐を結ぶ腰結の役で人望のある人物(男性)に依頼したというが、ドラマでは宣孝が担っていた。お香の種類や、後宮の女官組織、斎宮・斎院についても詳しい。あとがきを読むと京都で学生生活を送った著者の『源氏物語』や『枕草子』愛が伝わる。2024/01/19
Sato
18
「鳴くよウグイス平安京」で始まった平安時代は400年以上と結構長いが、知っているようであまり知らなかったりする。「期待していない」とか言いながら結局観てしまう今年の大河ドラマ「光る君へ」の予習のために読了。この本では紫式部と清少納言の作品から当時の風習や価値観、子供の誕生時のお祝いから人生最後の弔い方などについて書かれている。ただこの頃に文字が書けるのは貴族のみに限られるため、結局残っているのはあくまでも貴族の生活の記録だけである。残念ながら平安時代の庶民の生活についてはあまり記録が残っていないようだ。2024/02/23
多津子
16
源氏物語の出てくる割合が多いが、女流作家の文学や日記から分かる風俗や当時の価値観。子供が生まれた時の祝いや年齢にまつわる行事、出家のタイミングや弔いの仕方など興味深かった。こうやって書物が残っているから当時の様子がわかるわけだが、やはりそれは貴族だからで庶民の様子はほとんど出てこない。さらっと貴族は火葬で庶民は風葬という記述があったので驚いた。庶民の風葬とはただの野ざらしだったのか、それとも墓場のような専用の場所があったのだろうか。2024/02/11
若黎
16
ふむ、という感じだな。最後に参考文献が書いてあればいいのになー。2023/11/25
とみみ
15
図書館本。この作者ほどではないが私も青春時代は平安時代が大好きだった。女子という切り口で平安時代の生活を説明してくれる。何となくふんわりと分かっていた官位や身分や生活が少し詳しく分かった。大鏡、栄花物語は読んだことがなかったので読んでみたくなった。もう少し関係図がきっちり描いてあると分かりやすいなぁと思う。大河ドラマ光る君へを観ているとさらにこの本が面白く感じた。2024/02/08