内容説明
夢幻能の様式を借り、戯作の技法を駆使して生み出された諷刺文学―これこそが、この小説の神髄である。真の舞台は「四国」の松山ではなく、日露戦争で激戦の地となった「清国」の旅順―そして「赤シやツ」を「山県有朋」、「うらなり」を「乃木希典」、「坊っちやん」をなんと「明治天皇」に読み替えることで、壮大な夢幻能の舞台が立ち現れる。
目次
序章 能楽仕立ての戯作小説
第1章 ワキの「坊っちやん」
第2章 旅順口の「幽魂」
第3章 悪鬼の「赤シやツ」と「野だいこ」
第4章 「山嵐」と「うらなり」
第5章 「主役」登場
第6章 天誅の修羅場
終章 百年かけて斃す敵
著者等紹介
古山和男[フルヤマカズオ]
岐阜県恵那市出身。早稲田大学政治経済学部卒。リコーダー演奏家、音楽文化研究家、専門はバロック、ルネサンス演奏法と音楽理論、舞踏法の研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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