出版社内容情報
もともと滑稽遊びの俳諧を,わび・さびの高雅な詩境にまで高めた芭蕉の生涯を総括。とりわけ,江戸に出るまでの消息や,病気の妻寿貞尼,主従三世の契り,などの新考証。
内容説明
主君蝉吟の死に遭い、小姓だった芭蕉はどう処したか。妻の寿貞尼は、なぜ誤解され不毛の論争が続いたのか。俳諧の楽しみの心位を力説した芭蕉の巨大な魂の軌跡。
目次
1 松尾忠右衛門宗房の寛文時代
2 松尾甚七郎桃青の延宝時代
3 芭蕉庵桃青の出家
4 旅人芭蕉への転身と『野ざらし絵巻』
5 『あら野』と『猿蓑』の発句唱和
6 杜国鎮魂秘曲『笈の小文』の謡曲世界
7 奥の細道の旅、その主題とイメージ
8 桃印の死をめぐる老の苦悩
9 芭蕉・二郎兵衛主従の最後の旅
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
マカロニ マカロン
12
個人の感想です:A-。これほど深く芭蕉の生涯を研究した本なのに読書メーターで登録ゼロだったのはもったいない。1993年の出版で、従来からの見方『奥の細道』に代表される漂泊の旅の詩人という見方からパラダイム転換して、芭蕉の漂泊期は死の前の10年間だけで、それ以前は妻子を抱えた猛烈な生業期間があった。ではなぜ深川に隠棲したのかについて本書では病弱な妻の大病説を採る。妻の本復を祈願して、妻と共に出家。芭蕉自身は参禅したが仏門に入ることはなかった。「草庵という寺」に住む俳諧僧として侘び住まいしたと解釈している2023/03/30
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