身体感覚で『論語』を読みなおす。―古代中国の文字から

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  • サイズ B6判/ページ数 289p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784393436370
  • NDC分類 123.83
  • Cコード C0095

内容説明

古来日本人の教養・考え方の基本にあった『論語』の核心を、孔子時代の文字と身体作法の視点から解き明かす力作。

目次

序章 からだで読む『論語』
第1章 論語世界との新たな出会い
第2章 「命」の世界
第3章 孔子学団に入門する―「学」とは何か
第4章 「詩」―叙情世界に本質は宿る
第5章 「礼」―魔術とマニュアル
第6章 「心」―このまったく新しい世界

著者等紹介

安田登[ヤスダノボル]
能楽師(下掛宝生流:ワキ方)、Rolf Institute公認ロルファー。朝日カルチャーセンター(新宿・横浜)講師、日本と東アジアの未来を考える委員会企画委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

米川青馬

5
読了。こんなに面白い本はなかなかない。能楽師(では収まらない方ですが)の著者が『論語』を自分の身体で感じ取り、能との共通点を見いだしながら、孔子時代の漢字を参照して読み解いていく。曰く、「『論語』は、「心」の使い方を扱った最初の書物」なのだそう。僕としては、まずこの一文が目から鱗。『論語』の見方が一新された。さらに中身もひたすら面白い。たとえば「四十にして惑わず」は、「四十歳になって自分はもう惑わなくなった」ではなく、「四十歳になって自分は自分の限界を取り払った」という意味ではないかと言う。それなら納得!2012/03/05

yoshi41101

5
松岡正剛の「白川静 漢字の世界」のような手法で、本書も古代文字を個々の漢字から分析し、著者の能の経験をベースに論語を語っている。著者が論語を再考するきっかけとなった「学而時習之、不亦説乎」についての発想の転換はとても新鮮だった。悦楽を得るにはつらい稽古を我慢して続けなければならないと取るのではなく、つらい稽古の先には必ずや悦楽が待っていると信じることと取る。その確信があれば自ずから困難に前向きに立ち向かうことができるというところ。こういうブレークスルーを自分で感じたい。2011/03/05

Sonic_Boon

4
10年以上色々な人の論語の注釈書等を読んできたが、全く新しい論語の見方をした本でした。 開始5ページ(前書)にしてまじで!?っと思わず声を上げてしまうほど勉強になった。 良書です。 ただ、タイトルにある「読みなおす」の文字の通り論語の本を初めて読む人にはオススメしない。 適当な注釈書を一冊以上熟読してから買うのをオススメします。2012/02/15

虎馬

4
Podcastのラジオ版学問のススメに登場された著者のトークにひかれ購読。たとえば「不惑」の「惑」はそもそもこの時代にはなかった・・・など非常に面白い事実から、能楽師ならではの身体論をまじえ、深い洞察を導く。とても刺激的な本。2010/03/20

朝乃湿原

3
本書は孔子時代の漢字と著者の芸能経験から論語を読み解いていく。確かに現代に伝わる論語の解釈と孔子が弟子たちに伝えた解釈は全く違うものであっただろう。書籍から学ぶだけではなく、全身を使って学び、君子に近づいていく。心をコントロールしていくマニュアル本であったとのこと。たとえ解釈は違っていたとしても、現代人に十分通用する内容であった。再読予定。2022/10/25

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