出版社内容情報
絶望の時にこそ、聞こえてくる言葉がある。生涯かけて対話を重ねる著者だからこそ伝えられるフランクル思想の底力。新しい入門書。
内容説明
『夜と霧』との出会いから50年。半生をかけた書物との対話から見えてきたフランクル思想の深さと優しさ。フランクル理解の第一人者が「対話形式」でつづる新しい入門書。
目次
第1章 フランクルと現代(東日本大震災とフランクル;グローバリゼーションと「実存的空虚感」;“裸の実存”の時代へ)
第2章 フランクルとの出会い(フランクル訪問;フランクル思想との出会い;フランクル思想への疑問)
第3章 フランクルの人生へのまなざし(「コペルニクス的転回」とは;フランクルの場合;人生・存在・いのち;意味への意志;人生の意味;人生の三つの価値)
第4章 フランクルの人間へのまなざし(もとに在ること―バイザインとは;「いのち」中心への転回;深みにおける精神的なもの;精神的無意識とは;“自然”ということ;それでも人生にイエスという)
著者等紹介
山田邦男[ヤマダクニオ]
1941年生まれ、京都大学大学院教育学研究科博士後期課程中退。大阪府立大学教授を経て、同大学名誉教授。哲学的人間学・人間形成論専攻。フランクルの著書の訳出を通じて、その思想の紹介に努める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shinichi Domae
3
フランクルは、人間が実現しうる価値として、三つの価値を挙げている。 一つ目は「創造価値」。 「なにかを行うこと、活動したり創造したりすること、自分の仕事を実現すること」 などによって実現される価値。 二つ目は「体験価値」。 「なにかを体験すること、自然・芸術・人間を愛することによって」実現される価値。 三つ目は「態度価値」。 「自分の可能性が制約されているということが、どうしようもない運命であり、避けられず、逃れられない事実であっても、その事実に対してどんな態度をとるか」ということによって実現される2013/05/19
arisa
1
自分の今の関心に符合していることもあって面白く読んだ。物理的にも精神的にも個体の数だけ立場があって、どれも切り口は違えどひとつの大きな織物を形作っていることに変わりはないのだなと。私は自己を滅することで本質の輝きに鋭敏に生きる実存像という意味で赤木しげるのことが好きだけど、禅的故に赤木しげるが好きなのか、赤木しげるが好きだから禅が好きなのかわからんくなった。2022/03/26
cocolate
0
議論をすべて理解はできなかったけど、「事に仕える」という見方が腑に落ちた。目の前のことに最善を尽くしていく。その積み重ね。2013/05/12