内容説明
個人/集団の内面/外面という「四象限」の区別を用いて人類を含む万物の歩みをたどり、これから人類が進むべき道筋を示すウィルバーの名著、待望の復刊。
目次
第1部 働いている霊(結び合わせるパターン;秘密の衝動;あまりにも人間的 ほか)
第2部 働いている“霊”のさらなる到達(意識の進化;グローバルへの途上で;超意識の領域)
第3部 平板な世界(上昇と下降;“コスモス”の折りたたみ/倒壊;“エゴ”と“エコ” ほか)
著者等紹介
ウィルバー,ケン[ウィルバー,ケン][Wilber,Ken]
1949年、米国オクラホマ州生まれ。トランスパーソナルの最大の思想家。現在はさらに「統合的(インテグラル)アプローチ」を提唱している
大野純一[オオノジュンイチ]
1944年、東京浅草生まれ。一橋大学経済学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かとうさん
5
でもやるんだよ精神で貫かれた一貫性ある語りは、快感ですね。心と道徳、自然をどうやってインテグラルするのかは、結局『霊性』に目覚める人を増やすって言うありきたりな結論になるんだけど。中盤の、ポストモダン批判は『パンツをはいたサル』を思い出しながら、わくわく読みました。人の社会はホントに進化するのだろうか、なんてことを真剣に想像させる熱意がヒシヒシ伝わってくる良い本。2016/07/31
gender
2
ウィルバーの理論の精髄が対話形式という形で明瞭に語られており、他の著書よりもわかりやすい…はず。なによりウィルバーのインテグラル理論には独自の専門用語が多く、なによりあまりに博識で引用元の引き出しの多すぎるウィルバーの著書全般は、日本人には敷居が高すぎるところもあるかもしれない。しかし、前述の通り、論旨は常に明瞭なので頻出単語集でも誰か作ってはくれないだろうか。しかし、ところどころ議論が盛り上がりすぎて、テンションが上がって天まで登りつめそうなウィルバーの論勢を、質問者が落ち着かせてるところがなんとも微笑2013/10/12
tekesuta
2
ニューエイジ的な自己中心的悟りも、すべてが平等だと唱えるエコロジスト、あるいは人間が中心の一般的産業社会もどれもこれもがばらばらで断片化している。これを統合する道を人間は見つけなくてはならないし、もし見つけられなければ相当不愉快な再調整が行われるだろうと著者は説く。しかし現実は厳しいね。古い教えは真理に近いものもありそうでないものもあるし、単に復古するだけではいかんのだな。 2013/07/12
ken_ai
2
んー……トランスパーソナル心理学もここまで形而上的だとかなり厳しい。拒否反応がでてきてしまった。ニューエイジをもっと難しくしたぐらいの理解しかできなかった。上昇と下降の概念も面白いが、霊的とはなにを指すのかイマイチわからないため、両者の決定的なメリットが感じられなかった。2011/08/21
Yori
0
『進化の構造』をベース?とする主張を対話形式で綴る。人間の発達、社会の発達の過去と未来を、東西の思想、文献をもとに明晰に説明する。ホロン、4象限、モダンにティとポストモダン。真・善・美のビックスリーの分離の功績と、右側側面(科学的外面)に折りたたまれてしまった今、そしてその統合にむけた未来。霊性とトランスパーソナルの記述がいまいち理解しきれず。2019/08/16