内容説明
ホロトロピック〔=ホロス(全体)+トレペイン(向かう)〕・セラピーとは、宇宙意識まで含んだ人間の〈魂の全体性〉を探る意識変容の技法である。早くて深い呼吸の持続+喚起的音楽+ボディワークの組合せが、緊張、硬直、抑圧をほぐし、魂を個人的―自伝的無意識のみならず、出生時(分娩前後)体験の領域、そしてトランスパーソナル(超個人的)の領域へと誘う。長年の臨床の裏づけにより、独自の意識の構造論、技法と理論、その効果、さらには実践上の注意・禁忌まで述べた、用意周到なハンドブック。
目次
第1章 意識の諸次元―人間の魂の新たな作図学(感覚的障壁と回顧的―自伝的レベル;脳を超える旅―魂のトランスパーソナルな次元)
第2章 ホロトロピック・セラピーの原理と手法(音楽の秘められた治癒力;ホロトロピック・セラピーの進行順序)
第3章 治癒とパーソナリティ変容の効果のメカニズム(伝統的セラピー・メカニズムの強化;死―再生プロセスの治癒力;トランスパーソナルなレベルにおける治癒のメカニズム)
第4章 体験的自己探求の可能性と目標(情緒的・心身相関的治癒;哲学的・霊的探求)
追章 心理療法と自己探求における向精神性物質(向精神性植物と物質;LSD心理療法の原理)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
○○○ ○○
0
LSDを用いたサイケデリック・セラピーの研究者であった著者が薬物抜きで同等の効果を挙げるために編み出したのがホロトロピック・セラピーであり、音楽を用いつつ過呼吸を繰り返すことによって人を超日常的な精神状態に降下させるテクニックと意義が紹介されている。フロイト的な言語表現アプローチの限界を超える身体的な精神へのアプローチは誕生という非言語的かつ根源的なトラウマを追体験させ、「別の誕生の仕方」の可能性を開き、個人的体験を超えた宇宙との合一などトランスパーソナルな領域までもが射程として開かれる2022/07/24
-
- 和書
- 怪獣人間の手懐け方