出版社内容情報
『正法眼蔵』のなかでも特に関心を集めてきた「有時」の巻について、曹洞宗の僧侶と『正法眼蔵』を読むために今まで哲学を研究してきた(?)哲学者が対談。第1部では『正法眼蔵』との出会いなどについて対談し、第2部では実際に「有時」の巻を読んでいく。
【目次】
第1部 お坊さんになりたかった哲学者と、哲学者になりたかったお坊さん
◎お坊さんになりたかった哲学者、中村昇
◎大学院の博士課程で正法眼蔵と本当に出会った
◎哲学者になりたかったお坊さん、藤田一照
◎唯一無二の自分が何者かを究明したくて出家
◎内山興正老師に教わったお坊さんの心構え
◎正法眼蔵は坐禅の手引書
◎わからなくても読み続けることで、ある日分かる
◎You can speak Dogenese?
◎哲学者、中村昇にとっての正法眼蔵
◎道元は仏道を志した人に向けて書いている
◎ハイデガーの存在と時間
◎道元と輪廻転生
◎死んでからでは遅くないか
◎ここが舞台で、ここで踊れ
◎道元の言う心とは
◎仏教用語は問題意識を持った人間への処方箋
◎一切法一心の“法”とは?
◎身心脱落、脱落身心。道元は言葉のマジシャン
◎沈黙するウィトゲンシュタイン、語り続ける道元
◎川はザーッと流れたら、ザーッと話す
◎雨の中でずぶ濡れになり、雨を知るのが道元
◎有時の中にある而今と経歴
◎道元は言語で時間を止めない
◎ホワイトヘッドと道元は似ていることを言っている
◎道元が見ていた風景
第2部 『正法眼蔵』「有時の巻」を読む
◎「有時」の意味
◎有時と『存在と時間』
◎有時と倫理
◎有時と科学
◎三つのじじ無礙
◎経歴と記憶
◎離人症と悟り
◎有時の冒頭を読む
◎私、無、リアリティー
◎有時三頭八臂……
◎時すでにこれ有なり ……
◎われを排列しおきて尽界とせり……
◎このゆえに、同時発心あり、同心発時なり……
◎有時の経歴を理解する
◎経歴は、それ時の功徳……
◎経歴といふは、風雨の東西するがごとく、学しきたるべからず。……
◎薬山弘道大師の箇所を読む
◎悟りについて
◎公案、直観、修行
◎教伊揚眉瞬目……
◎悟りが出発点
◎大寂の道取するところ……
◎葉県の帰省禅師の箇所を読む
◎天台本覚思想と道元
◎質疑応答