内容説明
腐敗し硬直したヴェトナム仏教界を改革しようと試みて、追われるようにアメリカに逃れた日々。ヴェトナム戦争が泥沼化するなかで、故国に戻り、苦難と迫害にさらされながらも、人々のために実践を重ねた年月。みずからの体験を赤裸々に綴るなかに、日常些事にひそむ真実が、突如訪れた悟りの体験が、そして、確乎たる「行動する仏教」の理念が、心にしみこむように語られる。ダライ・ラマと並ぶ世界的仏教者が体験した悪夢のヴェトナム戦争。悟り、慈悲、幸福、真理について語る散文詩のような文章。テロと戦争に直面する現代の我々の求める仏教が、ここにある。
目次
陽光
雨
満月
宵の明星―真昼の悲しみ
星光―ふたつの森の記憶
ふたつの悪夢
再生
菩薩への道
禅への道
使命―ヴェトナムの悲惨
極東の宝石
遠くにありて想うもの
禅とは関わり生きること
若き開拓者たち―エンゲイジド・ブディズム
旅立ち
著者等紹介
ハン,ティク・ナット[ハン,ティクナット][Hanh,Tich Nhat]
ヴェトナムの禅僧、詩人、平和活動家。1966年の亡命前、ヴァン・ハン仏教大学、アン・ウァン寺院、社会福祉青年学校、相互共存(インター・ビーイング)教団の共同創設者となる。爾来、ヨーロッパと北アメリカで活躍、精力的に平和のために働く。パリ平和会議においてヴェトナム仏教者の代表をつとめる。ボルドー近郊に仏道修行の僧院、プラム・ヴィレッジを創設し、世界各地を廻って気づきの暮らしを語り、その指導に当たる。35冊を超える著書を世に問う
池田久代[イケダヒサヨ]
1949年、山口県に生まれる。同志社女子大学修士課程文学研究科修了(英文学専攻)。皇學館大学社会福祉学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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