内容説明
連続幼女誘拐事件から甲府信金女性誘拐事件まで、「胎内化」する社会に多発する事件群―。社会の風波を直接受けながら、大転換期の世紀末時代を疾走する劇作家・山崎哲の前作『「事件」ブック』につづく待望の第2弾。
目次
はじめに M君から「平成四天王」の時代へ
1 子ども・家族・学校(からだが変わる、世界が変わる―宮崎勤事件公判;見えない「未来」―尾崎豊と連続死した少年たち;阻まれた少年の「自立」―浦和市高校教師息子殺害事件;漂流する子どもたち―「渋カジ」族から基地周辺の少女たちまで)
2 社会・世相(テロを許す「中流意識」―本島長崎市長狙撃事件;市民社会の完成―「暴力団新法」と極道の妻たち;主婦の危機という物語―イラン人をめぐる「うわさ」;主題としての幼女―中山元投手強制わいせつ事件;近接する「私」と「公」―NHKドラマ・精神的苦痛訴訟事件)
3 新興宗教(新しいミニ宗教の時代;「幸福の科学」騒動;「統一教会」騒動)
4 テレビ・メディア(テレビ視聴者の現在;境界域としてのワイドショー;貴・りえ「婚約解消」騒動;小和田雅子さんの役割)
5 本音のコラム1989~1993
おわりに 胎内化するひと、郊外化する都市