現代哲学への招待
主観的、間主観的、客観的

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  • サイズ 46判/ページ数 400p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393323076
  • NDC分類 115
  • Cコード C0010

出版社内容情報

外界と心の二分法を否定し、人間の内面を消去する「外部主義」で新しい知識観を構築した、現代最高の哲学者の論文14編。

内容説明

言語の社会性・公共性を徹底し、主観性と客観性の二分法を否定する「外部主義」。現代最高の哲学者デイヴィドソンが、名著『真理と解釈』の問題意識をさらに発展させ、「懐疑論」や「他者の心の謎」を克服する新しい知識論の構築を試みたスリリングな論文14編を収録。詳細な解説「外部主義と反還元主義」を付す。

目次

第1部 主観的(第一人称の権威;自分自身の心を知ること;主観的なものの神話;心に現前するものは何か;不確定性の主張と反実在論;自己の概念の還元不可能性)
第2部 間主観的(合理的動物;第二人称;思考の出現)
第3部 客観的(真理と知識の斉合説;経験的内容;認識論と真理;認識論の外部化;三種類の知識)

著者等紹介

デイヴィドソン,ドナルド[デイヴィドソン,ドナルド][Davidson,Donald]
1917年、マサチューセッツ州生まれ。1939年、ハーバード大学卒。1941年、同大学院で修士号取得。1942年から1945年まで兵役を務めたのち大学院に戻り、1949年にPh.D.を取得。クイーンズ大学を皮切りに、スタンフォード大学やプリンストン大学など多くの大学で教鞭を執り、1981年からはカリフォルニア大学バークレー校の哲学教授として20年以上勤める。2003年8月、逝去。現代の言語哲学や心の哲学において最も重要な哲学者といわれる

清塚邦彦[キヨズカクニヒコ]
1961年生。東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。山形大学人文学部准教授。専門は言語哲学、哲学的記号論

柏端達也[カシワバタタツヤ]
1965年生。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程単位取得退学。博士(人間科学)。千葉大学文学部准教授。専門は行為論、形而上学

篠原成彦[シノハラクニヒコ]
1961年生。九州大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。信州大学人文学部准教授。専門は言語哲学、心の哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

34

19
「この蝋燭の火がわたしには見え、わたしの手を温めさえするとはいえ、どうして夢を見ているのではないと言えるのか」デカルト主義者は言う。「ねえ君」と。その部屋には彼の友人がいるのである。「ここには蝋燭がある!」と友人は反駁する。デカルト主義者がコミュニケーションの成立を疑うには、かなり極端な仮定を設けなければならないだろう。(それらはいずれも外部のリアリティの観念に依拠するものだ。)一方デイヴィドソンは、もっとも根源的な懐疑論者より多くを仮定するわけではない。そこから多くを帰結させるのが彼の議論の魅力である。2017/12/23

田蛙澄

1
正直最初の方は前提知識が足りてなかったせいか、なぜデイヴィドソンが執拗に自分の思考についての知識を問題にするのか理解できなかったが、後半になって三角測量の話などが出るに及んで、主観を第一的な基礎にできないからこそ、相互依存な解釈が自己知の成立を要請することを論じる必要があったのだと、遡及的に得心した。 表象主義に毒されてるせいか読み終えても今一つ外部主義的な世界と自己との他者を媒介にした直接性には引っかかりを覚えるのだがそれなりに納得することはできた。2020/08/31

roughfractus02

1
自分の心と他人の心と世界は密接な絡み合いである、という著者の考えは一見不可思議に見える。だが、ウィトゲンシュタインの「私的言語の不可能性」に対して、コミュニケーションと知識の共有のほうが先行し、それらは他者には還元され得ないと主張するために、著者は三者を並列的に捉えた。雷に打たれた著者が傍の木と同じ分子構成で「スワンプマン」となって家に戻ったとしたら、家人との会話の意味がスワンプマンに理解できるか? この思考実験から、著者は意味は心の外にあり、私はそれを決めるような経験を占めている、という見解を打ち出す。2017/02/11

urza358

1
デヴィドソンは(翻訳の助けもあってか)比較的平易な文章でわかりやすい。ただし議論のテーマ上、タルスキの真理理論、クワインの翻訳不確定性、ヘンペル、カルナップ、ノイラート、ダメット、パトナムなどの論客の概要知識は必須。2010/11/14

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