出版社内容情報
知識が専門家に独占され個人が無知と無意味に苦しむ現代,伝達もできず進歩もせず自ら考え歩まねばならない道としての哲学の立場をウィトゲンシュタインを例に解明する。
内容説明
知識が専門家に独占され、アトムと化した個人が無知と意味の不在に苦しむ現代。科学を代表とする近代の「進歩する知識」観をはじめ、われわれが当然とみなしている知識をめぐる神話を解体し、個々人がみずから考え、みずから歩まなくてはならない道として、哲学の意義を宣言する。
目次
科学的「知」の概念を超えて
進歩の観念と宗教
命題を知ること
ソリテス・パラドックスについて
「もの」と性質―基体概念をめぐって
見えない世界