フロイトかルイスか―神と人生をめぐる問い

ニコライ・ジュニア，アーマンド・Ｍ．【著】〈Ｎｉｃｈｏｌｉ，Ｊｒ．，Ａｒｍａｎｄ Ｍ．〉/吉田 幸弘【訳】

春秋社（千代田区）（2021/03発売）

• サイズ 46判／ページ数 363p／高さ 20cm
• 商品コード 9784393216187
• NDC分類 146.1
• Cコード C0016

目次

第１部　私たちは何を信じるべきか（主唱者たち―フロイトとルイスの生涯；創造主―宇宙を超えた知性は存在するのか；良心―普遍的な道徳律は存在するのか；大いなる変化―どちらが真実への道か）
第２部　私たちはどう生きるべきか（幸福―人生で最も大きな歓びの源とは；性―私たちの唯一の目的は快楽を追い求めることか；愛―愛はすべて性衝動が昇華したものか；痛み―苦しみという問題をどう解決できるのか；死―死は私たちの宿命なのか）

著者等紹介

ニコライ，ジュニア，アーマンド・Ｍ．［ニコライ，ジュニア，アーマンドＭ．］ ［Ｎｉｃｈｏｌｉ，Ｊｒ．，Ａｒｍａｎｄ　Ｍ．］
１９２８年生まれの米国の精神分析医。ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院精神科の臨床教授を務める。フロイトの専門医Ｆ・ドイチェ、及びフロイト最晩年の主治医Ｍ・シュールと親交を持つ。『ハーバード大学精神医学ガイド』編集者および共著者。クリスチャンの非営利ロビー団体「家庭調査会議」の創立メンバーであり、アメリカン・フットボール・チーム「ニューイングランド・パトリオット」の精神科医、また米国の政府団体や企業、プロ運動家のコンサルタントとしても活躍。２０１７年没

吉田幸弘［ヨシダユキヒロ］
１９５５年北海道小樽市生まれ。１９８０年、埼玉大学理学部卒業。１９９３年、青山学院大学国際政治経済学研究科国際ビジネス専攻修士課程修了。外資系企業等で、ＩＴ関連の業務に従事。音楽に見られる精神性と聖書との関連に興味を持つ（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[いとう・しんご singoito2]

高校時代からのナルニアンの私としては、最初から勝ち負けは決まったようなもの、フロイディアンにはお気の毒、って感じで読みました。自分の編み出した物語に幽閉されたフロイトと物語を紡ぎ続け、自己の可能性を広げ続けたルイス、とでも言えば良いでしょうか。また、私の現在の信仰理解（リクールやヤスパースに近い）とルイスのそれとの比較も新鮮でした。原書が明記していない引用元を、ベーカー街の名探偵のごとく徹底探索した訳者の努力は素晴らしく、その点は高く評価すべきだと思います。

2023/03/24

[スプリント]

精神分析学の祖にして無神論者フロイトと文学者にして敬虔なる信仰者であるルイス。 人生とはなにか、そこに神は存在するのか。 それぞれの考えをクロスさせたバーチャル対話篇。

2022/12/31

[うえ]

幸福、性、死に関する両者の相克。「ルイスは、愛情による関係と親しさによる関係について、興味深い警告を投げかける。この二つは人をそそのかして馴れ馴れしくさせるため、危険を引き起こしかねない…フロイトもルイスも、愛の一つの側面についてはかなり熱心に書いている。この型の人間の愛は…旧約聖書と…新約聖書の両方で言及されていて、そこには、フロイトが攻撃した「隣人を自分のように愛しなさい」という霊的な世界観による基本的な教えが含まれている。フロイトは人間の愛の中に、彼の分類にまるで合わない型があることに気付いた」

2023/03/12

[Go Extreme]

神の存在と悪： 神が創造した宇宙に悪や苦痛存在 ルイスー自由意志の創造→悪が可能に 神の介在： 神は良心や善の夢を通じて人類に関与 ユダヤ人を通じて自身を示し新たな生命を与える神話 ユダヤ人： ルイスーユダヤ人の中から現れた男が神・驚き示す→ユダヤ教の伝統的な神概念と対立 フロイト視点： 信仰≒神経症的・無神論的立場から神の存在批判 幼少期の父親との関係→信仰に影響 愛と苦痛： ルイスー愛が悪を含む 苦痛ー神の存在を気づかせる手段・神の呼びかけ 信仰と文化ー信仰の価値は文化的背景と証拠により評価されるべき

2025/02/08