出版社内容情報
今年は空海に「弘法大師」号が与えられてから1100年目にあたる。どのような経緯でこの名前が与えられたか、また高野山で今もなお生前の姿でいるという伝説はどのようにして生まれたのか。この弘法大師の謎を史料から解き明かした初めての書。
内容説明
空海に「弘法大師」号が贈られて千百年。その下賜の経緯と、今もなお高野山奥の院で生身のまま弥勒菩薩の現れるまで見守ってくれるという入定伝説誕生の経緯を、初めて史料から緻密に解き明かした画期的論考。
目次
第1部 空海への大師号の下賜(大師号とは;寛平法皇による上奏は史実とみなしてよいか;観賢僧正による二度の上奏;大師号が下賜されたときの勅書;大師号「弘法大師」の出典;大師号は、なぜこの時期に上奏され下賜されたのか)
第2部 弘法大師の入定留身信仰(空海の最期;大師の入定留身信仰は、いつ、いかなる契機でもって成立したか;弘法大師の入定留身信仰の成立過程)
著者等紹介
武内孝善[タケウチコウゼン]
1949年、愛媛県生まれ。1977年、高野山大学大学院博士課程単位取得退学。その後2年間、東京大学史料編纂所に内地留学。1981年から1997年、『定本弘法大師全集』の編纂に従事。2002年から2012年、文化庁文化審議会専門委員(文化財分科会)。2013年7月設立の「空海学会」初代会長に就任。現在、高野山大学名誉教授。空海研究所長。博士(密教学)。専門は、日本密教史、特に空海伝・初期真言宗教団成立史。第32回日本印度学仏教学賞、密教学術奨励賞(1992・2007年の二回)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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