内容説明
「教行信証」6巻の中に、師・法然の思想の継承から自説の確立に至る過程を詳細にたどり、その真髄を解明する最新の研究。原典、その他諸資料の徹底分析を通じて、撰述の動機、成立時期、その中核はどこに存するか、などの問題に明快に答える。親鸞の宗教を中世の時代思潮の中に的確にとらえた前著『中世的不安と教行信証の世界』の姉妹篇。
目次
前篇 鎌倉新仏教としての法然・親鸞の宗教(選択集と教行信証;末法灯明記と浄土教;選択集の行中摂信から教行信証の信中摂行へ;漢文体の親鸞著作と教行信証の成立)
後篇 教行信証の真髄と本領(現生正定聚説とその周辺;信巻・化身土巻の別立;親鸞の身証と自説の確立;神祇信仰と教行信証)