出版社内容情報
〈利他行の宗教〉と〈瑜伽の宗教〉という二分法を用いて、〈華厳〉と〈釈尊の宗教〉、〈大乗〉と〈密教〉、を両立不可能なものとして分ける特異な見方や、反密教として密教は完結したと結論する密教思想史などを含む斬新で独創的な対談と論考八篇。
内容説明
『大日経』と『金剛頂経』は両立不可能である。“利他行の宗教”と“瑜伽の宗教”は両立しない…この二つの軸で一つの仏教としてまとめて考えられているゴータマ・ブッダの宗教から後期密教までの思想群を明快に切り分けて、新しい仏教の展望を提示する。
目次
序 『法華経』・願成就の哲学―“大乗以後”の仏教の原理と論理
1 密教理解の現位置
2 釈尊の宗教と華厳
3 大日経世界と空海
4 タントリズム瞥見―サンヴァラの儀礼と教義
5 『秘密集会タントラ』―インド密教に於ける即身成仏の思想とその儀礼
6 密教から反密教へ―『ヘーヴァジュラ・タントラ』に於ける真理の問題
7 空海の解釈学
8 稜線上の密教
著者等紹介
津田真一[ツダシンイチ]
1938年、東京都生まれ。東京大学文学部印度哲学梵文学科卒業。Ph.D.(A.N.U.)、文学博士(東京大学)。前国際仏教学大学院大学教授。財団法人東方研究会研究員、東方学院講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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『法華経』・願成就の哲学―大乗以後の仏教の原理と論理: 法華経のゲニウス 願成就の意義・一乗の意味 終末論的実在の弁証法としての一乗 人類6千年の真理・開放系の命題 神観念に必然性のコンテキスト・生の被規定性 願成就の哲学に向けて 密教理解の現位置 釈尊の宗教と華厳 大日経世界と空海 タントリズム瞥見―サンヴァラの儀礼と教義 『秘密集会タントラ』―インド密教に於ける即身成仏の思想とその儀礼 密教から反密教へ―『ヘーヴァジュラ・タントラ』に於ける真理の問題 空海の解釈学 稜線上の密教2024/10/04