出版社内容情報
唯識思想に少しでも触れたことがあれば抱かざるを得ない唯識が独我論ではないかという疑い。本書は無著・世親を中心として彼らのテキストに対する二大注釈の流れを検討し、現象の背後の実在を語る系譜と語らない系譜の二つに唯識思想を整理する。
内容説明
他学派からの批判に唯識はどう応えたのか。唯識思想に突きつけられた他学派からの批判への反論から現代的な視点では取り扱うに値しないものを除外し、哲学的考察を通して唯識思想の多様性を明らかにする。
目次
序論
第1部 唯識概説
第2部 唯識思想の問題点―他思想他学派からの批判、世親唯識の対応
第3部 唯識思想と独我論(1)―現象の背後に「実在」を語らない立場
第4部 唯識思想と独我論(2)―現象の背後に「実在」を語る立場
第5部 現象の背後に「実在」を語る系譜と語らない系譜
第6部 独我論の諸問題
第7部 研究史
全体の結論
著者等紹介
源重浩[ミナモトジュウコウ]
1946年生まれ。1976年、龍谷大学大学院文学研究科博士課程真宗学専攻修了。1987年、西ドイツ・ヴュルツブルク大学・H.ロムバッハ教授にカント解釈と氏の哲学を学ぶ。1990年、龍谷大学法学部助教授退職。1997年、九州大学大学院文学研究科博士課程哲学専攻修了。2000年、京都大学大学院文学研究科修士課程倫理学修了。2007年、九州大学大学院人文科学研究院博士課程インド哲学史専攻修了。元九州龍谷短期大学非常勤講師(哲学、宗教学)。元熊本県立大学非常勤講師(人間と宗教)。現在、浄土真宗本願寺派光国寺住職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。