内容説明
インドの伝統思想であるニヤーヤ学派とヴァイシェーシカ学派。その伝統を受け継いだ新ニヤーヤ学派は仏教が姿を消したインドで確立した。正理(ニヤーヤ)をその名に冠する学派の哲学的特徴、そして古典思想との違いとは。関係の分析方法を可視化した豊富な図式と、サンスクリット語テキストの翻訳から迫る。
目次
序章(本書の目的;本書の構成)
第1章 新ニヤーヤ学派の研究略史と特徴(新ニヤーヤ学派研究の方法とその歴史;新ニヤーヤ学派の起源と分析方法 ほか)
第2章 新ニヤーヤ学派の術語(限定者(vi´sesana)
表述者(nirupaka) ほか)
第3章 ガンゲーシャとヴァースデーヴァ―遍充に関する議論(1)(遍充とその定義と論理形式;ガンゲーシャの「遍充五定義」 ほか)
第4章 ラグナータ―遍充に関する議論(2)(ラグナータの「遍充五定義注」(TCD)の特徴
ラグナータの「遍充五定義注」(TCD)の翻訳と分析)
第5章 結論
著者等紹介
和田壽弘[ワダトシヒロ]
1954年、大垣市生まれ。名古屋大学文学部卒業、名古屋大学大学院在学中に、インド・プーナ大学に留学、Ph.D.取得。名古屋大学にて博士(文学)取得。名古屋大学文学部助手、助教授、教授を経て、名古屋大学大学院人文学研究科教授。現在、名古屋大学名誉教授。2001年にイギリス・オックスフォード大学ウォルフスン・カレッジ客員研究者、同年スウェーデン・ウプサラ大学客員教授。2013年にインド・哲学研究評議会客員教授。1994年に日本印度学仏教学会賞、2008年に鈴木学術財団特別賞、2016年に中村元東方学術賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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