目次
飛鳥・奈良時代における浄土信仰―叡山浄土教前史として
第1部 叡山浄土教の興起(円仁による常行三昧始修の問題;円仁による五台山念仏移入の問題;「山の念仏」の始修の時期の問題 ほか)
第2部 常行三昧の種々相(不断念仏の諸相;勧学会の性格;二十五三昧会の発起 ほか)
第3部 極楽浄土往生の思想(『九品往生義』と『十願発心記』との成立の前後関係;『九品往生義』の往生思想;千観の往生思想 ほか)
著者等紹介
奈良弘元[ナラヒロモト]
1937年、北海道生まれ。1963年、日本大学文理学部哲学科卒業。1970年、日本大学大学院博士課程修了。1981年にはインド仏跡調査研究に、また、1983年から84年にかけて、英国において敦煌出土仏教文献の調査研究に従事した。現在、日本大学教授、文学博士
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感想・レビュー
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HANA
36
初期の叡山浄土教について考察した一冊。前半部分は常行三昧の開始時期や二十五三昧会の論文が中心となっている。興味深いは二十五三昧会について源信との関係を論じた部分。定説では源信が創設者となっており、自分もそう教えられてきたのだがここでは資料を丁寧に読み解いて創設者が彼以外であることを明らかにしている。自分の知識量ではどちらが正しいか判断する事は出来ないが面白い知見だと思った。後半は叡山浄土教。出てくる人物はほぼ名前も聞いた事がなかったが、一念や五逆誹法の流れが宗派としての浄土教に続いていると考えると面白い。2014/12/20