内容説明
密教とはいかなるものか。密教研究の第一人者が、仏教全体の思想史的文脈をふまえ、大乗仏教とりわけ中観・唯識と密教思想の関連と異同を探り、大乗から密教への移行の道筋を指し示す画期的論考。あわせて日本法相・新義真言の碩学の生涯と思想を収録。
目次
第1章 大乗仏教の倫理―成仏への道、菩薩行・大乗戒を中心として
第2章 菩薩道と唯識観の実践―二位説・五位説の形成を中心として
第3章 中期大乗仏教における菩薩思想の構造論的考察
第4章 瑜伽師地論における止観
第5章 唯識思想における愛
第6章 唯識思想と密教
第7章 密教教学における龍樹の影響―特に大日経・大日経疏を中心として
第8章 貞慶の教学と信仰
第9章 鎌倉時代における法相教学の諸問題
第10章 根来教学の大成者、頼瑜、聖憲の生涯と著作