内容説明
黒術師の居所を突き止めるべく奔走する黒捜課のメンバーと俊一郎たちは、候補地の1つである孤島に渡った。見晴らし台を備える元別荘で待ち受けていたのは、どこか言動が奇妙なスタッフと、人数分に満たない食料だった。黒術師の罠を警戒し、緊張する一行を嘲笑うかのように、不可解な連続殺人事件が起き始める。犯人は誰か、その目的は?そして、姿を見せない黒術師の正体とは?最後にして究極の闘いが、幕を開ける!
著者等紹介
三津田信三[ミツダシンゾウ]
奈良県出身。編集者をへて、2001年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。10年『水魑の如き沈むもの』で第10回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sin
74
ミステリーとホラーの融合は作者お得意の分野ではあるが、このシリーズに限ってはぎこちなさを感じて止まない。呪術と云う場合に依っては何でもありな現象に謎解きを合わせたときの矛盾を消化しきれずに巻を重ねられた様な印象が拭えないのだ。ミステリーは謎解きをすれば成立するだけのものではないと思うのだが、どうだろう?些末だが密室を検証する際の同様の別室での考察の齟齬や、鯖虎猫僕にゃんの扱いから、パズルのピースのように用意された意外な黒幕の正体まで…違和感を拭えなかった。2021/02/03
雪紫
68
「奇妙しい。わたしは死相学探偵を読んでたはず」黒術師との最終決戦に挑む弦矢家と黒捜課・・・なんで、最終作なのに困惑が先にあるんだ自分。三津田さんおなじみのファンサービスが特盛に、殺人事件・・・からの展開が彼の作品にしてはある意味異色だからか? ある意味テコ入れ疑惑に困惑が先に。とりあえず何人か黒術師かと疑ってたけど、外れた人達にはごめんなさいしないと。それくらい彼らの黒術師打倒への想いは本物だった。また、彼らに会いたい。と思うくらいに。2021/01/22
眠る山猫屋
64
ちょっと残念。コミック化も始まり、原作小説としては纏まりのある終わり方かもしれないが・・・。黒術師の正体はなかなか面白かったが、その因縁て、今まで語られていましたっけ?愛染さまが抑え込まれて活躍できなかったのも残念。序盤のオールスターシステムが良かっただけに、後半の少年漫画スタイルが雑に見えてしまった。いちばん残念だったのは、圧倒的に怖くない事。ホラーでもミステリーでもなく、バトル寄りはいただけない。でも僕にゃんはカッコ良く可愛いかった。2021/09/14
HANA
59
シリーズ完結編。オカルトミステリに相応しく最後の舞台は孤島での連続殺人、そしてラスボスとの対決。過去シリーズとの関連もあって最後の事件に相応しい…のはずが、ミステリの部分が完全にトンデモになってしまっている。とりあえずその手法を使えばどんなトリックでも成立するでしょうに。展望台のトリックとアリバイを真剣に考えてたのに…。あとラスボスの正体だけど、今までのシリーズで匂わすくらいの事しててもいいと思うのだけど。色々不満点もあれどラストダンジョンの攻略は王道だし、これでシリーズも完結と思うと感慨深いものもある。2021/02/19
じゅんぢ
42
ベタだけど、「ここは俺にまかせてお前は先に行け」という展開が大好きだから、それだけで満足。だから、みんなの感想が辛辣だったのは意外だった。 せっかくコミカライズも始まったみたいだし、いつか続編を書いてほしい。2022/01/21