出版社内容情報
あたりまえの日常がすべて虚構であることを見抜いたブッダの洞察が,さらに哲学的論理学へと発展していく経緯を,未解読のテクストをまじえ,精緻な理論で解き明かす。
目次
序章 原始仏教における「無常」
第1章 ヴァスバンドゥの刹那滅論証―内遍充論による自発的消滅論証
第2章 ダルマキールティの刹那滅論証
第3章 ポスト・ダルマキールティアン「刹那滅論証」の展開
第4章 ラトナーカラシャーンティとジュニャーナシュリーミトラの思想的クロノロジー
第5章 ラトナーカラシャーンティの「内遍充論」
第6章 ジュニャーナシュリーミトラ新外遍充論による刹那滅論証
第7章 隠された離反―ラトナキールティの「瞬間的消滅論証」
第8章 ウダヤナの反瞬間的消滅論証
第9章 最後の刹那滅論証とウダヤナへの反撃
終章 刹那滅論証―論理と時間性