出版社内容情報
葬儀離れ、墓離れ、寺離れが進む仏教界。その打開策を歴史・教義・現実の面から検討し21世紀の僧侶・寺院のあり方を具体的に示す。
内容説明
お坊さんが仏教のことを知らない?葬儀や先祖供養は必要か、お墓はいるのか、霊魂は実在するか、浄土はどこにあるのか、脳死は人の死か、お寺の公益性とは何かなど、お坊さんが答えにつまるような難問に回答のヒントを示唆し、お坊さんを応援する異色の仏教入門書。
目次
第1章 葬儀―仏教は葬儀から始まった
第2章 女性と仏教をめぐる課題
第3章 大乗仏教の立ち位置
第4章 東日本大震災から見えてきた仏教のありかた
第5章 僧侶の品格
第6章 現代仏教の重要課題―公益法人・脳死・子育て
著者等紹介
正木晃[マサキアキラ]
1953年、神奈川県生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。国際日本文化センター客員助教授等をへて、現在、慶應義塾大学非常勤講師。専門は宗教学(チベット・日本密教)。特に修行における心身変容や図像表現を研究。独自のマンダラ塗り絵を考案し、15年以上前から大学の講義などに取り入れている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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英磨
2
日本の僧侶は言説や文章で法を分かりやすく伝えることが求められる。本書は僧侶ではない宗教学者が一般の方にとって特に関心度の高い葬儀や先祖供養、お墓、鎮魂供養回向の違い、脳死問題などを取り上げ分かりやすく書かれている。坊さんは仏教を知るだけでははく、伝えられるようになることが大切。余談だが私の従兄弟が本書に登場していたので嬉しかった。2017/02/02
釋@人生勉強
2
タイトルから対象が僧侶向けだと思って難易度が高い内容かと思っていましたが、 僧侶ではなく、仏教を学び始めた私にも大変分かりやすい内容でした。 葬儀の事、お墓の事、寺院や仏教界が抱える課題、課題に対しての提案など大変興味深い内容ばかりでした。 仏教に携わる方は勿論の事ですが、日本全体の問題として広く読んで頂きたい本です。2015/09/29
Carol
1
原始仏教の経典であっても、ブッダの死後300年程度後に書かれたもので、ブッダ存命中やその弟子第一世代の時代には書かれていなかったとは。勉強になったけれど、脱線やあまり必要ではないかなと思う例がとても多くて、ちょっと残念。参考文献の一覧もつけてほしかったな。2021/09/16
Atsu
1
坊さんも普通の人間ですから、その辺の人と何ら変わらない。ただ本人が、僧侶としての自覚を持って行動するかで、周りから「あーやっぱりお坊さんだな」と思われるんじゃないかと思う。 欲にまみれた者も貧した者も、どの業界にもいるが、時代に合わせられるかしかないと思う。2020/11/30