出版社内容情報
仏教の基本的な概念や理論を、豊富な例証を駆使して平易かつ具体的に解明。その人間主義と近代性の意義を説く絶好の入門書。
内容説明
時代も国境もこえて、人としてのめざすべき理想を説く、それこそが仏教!複雑多岐な学説に共通する基本事項を平易かつ具体的に解明する絶好の入門書。仏教を学びたい人必読のロングセラー。
目次
第1章 仏教は人間学である
第2章 仏教にはイデオロギーはない
第3章 仏教の基本的態度、空・無我
第4章 仏教は法を説くものである
第5章 仏教と現代
第6章 仏教学説の内部構造
第7章 三法印、四法印
第8章 十二縁起
第9章 四諦八正道
第10章 修行道について
著者等紹介
水野弘元[ミズノコウゲン]
1901年佐賀県に生まれる。駒沢大学教授、東京大学教授、駒沢大学総長などを歴任。駒沢大学名誉教授。文学博士(東京大学)、インド・ナーランダ大学名誉文学博士。2006年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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新父帰る
3
水野弘元第二弾。前半は仏教一般論を扱い、後半は仏教理論に必衰の用語解説という構成。仏教には二面性があり、理論と実践と言われているが、理論は哲学的探究の極まりまでいく宿命があり、凡人には理解困難に直面すること必定。さもありなんと言うことで本書ではなるべく易しく、丁寧に解説。ありがたいことだ。さて実践では、修行道の章を1章設けて解説。どのページにも原始仏教と大乗仏教を比較しながら論じているので、初めて仏教に触れる人にも、それ程抵抗はないのではないか。ただ、著者はその両仏教の相違を強調するより同質に重点を置く。2018/10/09
牛タン
3
仏教の入門書。外部から見た仏教と内部における教説を紹介する。因果業報説、四法印(法の条件:諸行無常、諸法無我、一切皆苦、涅槃寂静)、十二縁起(これによって仏陀自身が悟りを開いた)、四諦八正道(仏陀の他者への教説)、修行道(三十七菩提分法、三学:戒定慧、六波羅蜜)。体系的な解説というよりは用語の辞書っぽい感じもあるが、全体的にすっきりしててわかりやすかった。2018/09/03
かわかみ
1
東大教授や駒澤大学総長をつとめた仏教学者により50年前に著された書籍。煩瑣な仏教の教学をわかりやすくまとめていると思う。もともとの仏教は形而上の不可知な世界を議論するものではなく、日常の世界を生きる道として説かれたとして、無我と空と中道とは同じことを言っているという説明は印象深かった。自分の勝手な考えだが、仏教はエリスの論理療法にも通ずるものがあり、煩悩具足の凡夫が日常を心穏やかに生きるために有益だと思う。2021/09/18
やまえつ
1
仏教の基礎知識というには結構難しい話が多かった。四諦、八正道などの話が後半になるまで出てこず、不安になった。また、原始仏教から大乗仏教までに共通する仏教の本質を解説しようとしたのは凄いことだと思った。読み応え充分だった。学生運動を批判してたりして、ちょっと時代を感じるけど。2010/06/21