出版社内容情報
◆37人の小説家、随筆家のエッセイによる「たまごの饗宴」◆
日本人なら誰もが名を知る小説家、随筆家による、「たまご」にまつわるエッセイを集めたアンソロジー。もっとも身近でなじみ深い食材・たまご。たまごかけごはん、たまご焼き、目玉焼き、オムレツ、オムライス…幼い頃に食べた思い出の味、今なお好きな大切なひと皿、37名のエッセイをお腹いっぱいどうぞ。
内容説明
ふわふわ、とろとろ、ずるずる、ごっくん、いろんなカタチ、黄色い幸福。37人のエッセイによる「たまごの饗宴」
目次
目玉やきの目玉(佐藤愛子)
卵の料理と私(森茉莉)
究極の玉子焼き(高橋克彦)
卵情熱(角田光代)
生卵をゴクリゴクリと(伊藤比呂美)
ぼんやりした味(平松洋子)
デビルオムレツ(阿川佐和子)
春はふわふわ玉子のスフレから(石井好子)
卵と玉子とたまごの話(池波志乃)
オムライス(野中柊)
卵焼きのサンドウィッチ(林望)
午前九時のタマゴ入り味噌汁(椎名誠)
ポテトとタマゴ(田中小実昌)
卵物語(阿刀田高)
卵料理さまざま(阿川弘之)
優雅なるカニ玉 威風堂々の黄金色に陶酔(小泉武夫)
炒り卵(檀一雄)
コロンブスの瓢亭卵(荻昌弘)
気ぬけごはんより卵三題(高山なおみ)
オムレツを作ろう(村上春樹)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
146
もしこの世界から「たまご」が消えたなら、どれだけの料理が失われてしまうのか。私たちを支えてくれている、卵、玉子、たまご、愛されている。その形の自然美。まん丸ではなく楕円形で転がりにくく割れにくい。ぱかっとひらくとつるんとした白み、ぷっくりとした黄みが姿を見せる。ノスタルジーなエピソードも多く、土岐雄三さんの「わがオムレツ」が好み。生卵、半熟玉子、日本では安心して食べられる幸せ。たまごかけごはん、深いな。寒い夜の茶碗蒸し、忘れられないな。あんこまパン、新発見。ぷるんとしたゆでたまご、枝垂れ桜の下で頬張ろう。2025/02/15
ゆのん
40
庶民の味方『たまご』。最近はちょっと購入を躊躇う位に高くなってしまった。そんな私でもこの本を読むと食べたくなってしまう卵料理の数々。たまごへのこだわりや、たまごに纏わる思い出などなど。身近なたまごだからこそエピソードも多種多様。シンプルこそ難しい代表のたまご料理。私の思い出たまご料理はやはり母の味。カレー味の挽肉のオムレツやパンプディングである。TKGの食べ方や目玉焼きに何かける論争など『たまご』だけで何時間も話せる、こんな食材はそうあるもんじゃない。2025/01/26
りらこ
20
すでに鬼籍に入られた作家さんの文章も入っていて、懐かしく。池波正太郎さんの食べものを書く筆は、生き生き。玉子が貴重だったころの、ありがたさと、現代の手軽さとの乖離も面白く。たまごは自然からの贈り物だったんだ。今はまるで工業のように鶏たちが卵をうむ機械とされている。料理をすると黄色が全体に行き渡る(除く目玉焼き)のも面白いといつも思う。白くなる部分は黄色い部分に勝つのはなぜ。それはともかく、この本、読んでいて卵をたべたくなるの必至。楽しく美味しい食卓をずっと彩ってきたんだね。2025/04/04
たっきー
11
たまご料理エッセイ集。たまごサンド、オムレツが食べたくなった。たまごかけごはんにこだわりがある人か多いけれど、私は生は苦手。小さい頃は食べていたのに。少し前に読んだ『たまごだいすき』(中公文庫)でも収録されていた重複作品有り。2025/04/19
でかぴょん
0
★★★☆☆2025/02/03