出版社内容情報
音無 砂月[オトナシ サツキ]
著・文・その他
みれあ[ミレア]
イラスト
内容説明
任務に失敗した暗殺者が転生したのは、公爵令嬢のセレナ。「私は元暗殺者。なりすますなんて簡単だ」そう思っていたセレナだが、頭がお花畑な母親や、彼女を蹴落とそうと周りを欺く義妹との感覚のズレにいら立ち、生きづらさを感じていた。周囲からの嫌がらせを痛烈にかわしながらも、その冷徹さゆえに疎まれ孤立するセレナは、義妹と第二王子の婚約を知り、ついに家出を決意する。しかしそこに、第一王子のエヴァンが現れて―!?愛を知らない冷血な元暗殺者は、怯むことなく貴族社会を突き進む!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
31
王太子暗殺任務に失敗し、護衛と相討ちとなった名もなき暗殺者が公爵令嬢のセレナとして転生する転生令嬢サスペンス。頭がお花畑な母親や、庶民から養子になり彼女を蹴落とそうとする義妹との感覚のズレに苛立ち、理解されずに生きづらさを感じる日々。妹と第二王子の婚約で周囲の勘違いが加速する中、彼女もまた優秀な第一王子と運命的な出会いを果たす展開で、暗殺者としての矜持が結果的に降りかかる火の粉を振り払い、危機に直面しても冷静に自分がどうあるべきかを意識しながら、危険を顧みずに立ち向かう姿に繋がっていてカッコ良かったです。2022/08/07
こも 旧柏バカ一代
29
元スラムで人を殺しながら生きていた暗殺者は、ターゲットを護る騎士と相討ちとなり死亡。次に目覚めたら貴族令嬢となっていた。ただ彼女の価値観は暗殺者のそれであり、貴族社会に馴染めなかった。それを好き勝手にする元平民の妹だった。その妹は貪欲に色々なものを求めるが、貴族社会は彼女の欲望以上に闇が深く、、それを自身の安全を確保しながら冷淡な目で見る元暗殺者。2025/01/09
ホシナーたかはし
19
ネット版読了、カバーが色っぽいので購読。紙媒体になると、義妹のばかさ加減が酷すぎるしうっとおしくて、読むのがメンドくさくなるは思わなかった。母親も能天気だし父親は事態が急を告げているのに帰宅しないし、妙に引っかかるところがちらほら。ただネット版とは違う、誰ともパートナーにならない終わり方は良かった。何となく続編があるような気になる終わり方。2023/01/22
すがはら
14
厨二全開ってやつでしょうか。公爵令嬢に転生したのに暗殺者であろうとする主人公。途中まで、主人公視点の語りがずっと平坦なので色々と出来事が起きてるのに起伏に乏しい印象になっていましたが、他の人の語りが挟まれることで読みやすくなって良かった。前世では名前がなくて番号で呼ばれてたって言うけど、外部と遮断された暮らしではなかったなら何らかの呼び名は必要だったと思うけどな。不便だし、不審すぎる。番号も9千番台って何なの。まあ何だかんだで最後には実は本人が分かってないだけで愛し愛されてるらしいと判明。面白かったです。2023/08/06
nishiyan
11
暗殺対象の護衛騎士と相討ちとなり、気が付くと公爵令嬢セレナに転生した暗殺者九九五六番。過去の経験から公爵令嬢に成りすますなど簡単だと思っていたのだが…という転生もの。本人の思惑とは反して周囲からは異質なセレナ。闇ギルド長と出会って裏家業をしながらも、貴族社会の窮屈さにうんざりしているのは興味深い。第一王子エヴァンに絡まれるようになってからの展開は面白い。前世のときから愛を知らなかったセレナが学んでいく様は楽しく、裏家業が縁で保護した従者ティグルとエヴァンの駆け引きには、にやりとしてしまった。次巻が楽しみ。2023/10/18