目次
山頭火 その句の背景に
ゆふ空から柚子の一つをもらふ
いちりん挿の椿いちりん
うしろすがたのしぐれてゆくか
星があつて男と女
どうしようもないわたしがあるいてゐる
ゆつくり歩かう萩がこぼれる
なみだこぼれてゐる、なんのなみだぞ
お彼岸花の赤さばかり
ほろほろ酔うて木の葉ふる〔ほか〕
著者等紹介
片岡鶴太郎[カタオカツルタロウ]
本名:荻野繁雄。1954年東京都西日暮里生まれ。幼少の頃より役者になることを夢見て、高校卒業後、片岡鶴八に弟子入りする。テレビのバラエティー番組などの出演を重ね、現在はドラマ、映画など様々なメディアで活躍し、日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、ブルーリボン助演男優賞などを受賞している。画家としては、1995年初の個展「とんぼのように」を開催。以後、全国各地で開催された個展は、いずれも好評で多くの来場客を魅了し、1998年群馬県草津に片岡鶴太郎美術館、2002年石川県山中・佐賀県伊万里に片岡鶴太郎工藝館、2003年福島県飯坂に片岡鶴太郎美術庭園を開館させた。鶴太郎芸術は絵画にとどまらず、幅広い分野で多彩な才能を発揮している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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書の旅人
8
「うしろすがたのしぐれてゆくか」失意のどん底に堕ちた私を、癒してくれたことの中に、山頭火の句との出逢いがある。「どうしようもないわたしがあるいている」周りの理解も得られず、呆然とする日々が続いた。「なみだこぼれてゐる、なんのなだぞ」たった1枚、娘が描いてくれた私の絵。最近は片親が多いので、敢えて親の絵は描かせないと聞き、落ち込む私のために描いてくれたもの。添えてくれた言葉を見るたび、今も涙が…。「つかれた脚へとんぼとまった」荷受けの仕事をしていた時、周りは田圃なので、沢山のとんぼが飛び交っていた。ふと気づ2016/11/22
hyuga
1
自分の好みだけで、体調すぐれない祖父に山頭火の句集を贈ってしまった数10年前。こんな寂しい句集をと今更ながら思う...。2015/11/27
雨巫女
1
歳を重ねた方が、山頭火の句がしみる。2009/05/03
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
0
鶴ちゃんの絵が好きで借りたが、画集ではなかった。絵は前の方に少しあり、メインは山頭火の句を鶴ちゃんが習字で書き、それに関するエッセイを記したもの。2008年4月刊行。ボクシング、絵、ヨガ、どれも極めていくのはすごいな。それでも孤独だと言って旅に出る鶴ちゃん。2020/12/04