出版社内容情報
元風俗嬢・菜摘ひかるの処女小説。何かに依存せずにはいられない過剰と欠落の女たちを描く4つのストーリー。
内容説明
整形、ホスト、買い物、セックス。過剰と欠落の女たち。あたしはどうして満たされない?ホームページへの総アクセス数200万超を記録した菜摘ひかる渾身の処女小説。
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- 評価
高坂凪穂の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キク
43
著者は「私は鬱で買物依存で摂取障害で、自分の顔が大嫌いで両親に複雑な感情を抱く人間です」という。短編の風俗嬢達は著者自身が投影されていて、整形やホストや買物やセックスに依存することで、なんとか生きている。本当は普遍的な要素を含んだ物語なんだけど、小説家ではなく風俗嬢である著者は自分の問題だとしか認識しておらず、それゆえに逆に痛々しさがダイレクトに伝わってくる。「この人は死んじゃうんじゃないのか」と心配になったけど、やはり薬物摂取により亡くなられたらしい。依存しながらも真摯に自らと向き合った稀有な魂に合掌を2021/08/28
そのぼん
38
なるほど、いろんなタイトル通りの女性を描いた短編集となっていました。買い物依存症やホスト、整形などにはまって破滅に向かっていくような人々が登場して、読み進めていくうちにどんどん気分が落ち込んでいきました。憂鬱な時に読んだら引きずられそうなので、ご注意を。2013/02/25
ネギっ子gen
34
題名に惹かれて……。現代の病理である"依存"を軸に、風俗嬢たちの心の深淵を描く4つの物語。元風俗嬢から転身した著者の、渾身の初小説だが、著者が謎の急逝をされて20年の歳月が……。実は、とても読みづらかったです……。いえ、こちらのレシーバーの問題でしてね……。過剰と欠落の女たちの記述。「あたしはどうして満たされないの?」という魂からの叫びが、当方に直撃! もう共鳴して、切なくなるばかりで……。「本当の顔はどこ?」の末尾。<愛される資格、いつになったらそれは手にできるのだろう>。この気持ち、痛いくらい…… ⇒2021/09/28
スパイク
24
著者があとがきで書いている通り『どこにでもある話』。私は『誰にでもある話』と付け加えたい。世間様の依存症者に対する偏見は、凄まじい。依存の対象が、ギャンブル、酒・薬物、セックスである場合、世間様は勝ち誇ったように、だらしない奴って烙印を押す。そういうだらしない快楽でなければ満たされない欠落を経験することなく生きてきた人には理解不可能なんだろうか?まあ、幸せ者だといえなくもないが、私はそうは思わない。たぶん想像する力、共感する能力が欠落しているのだと思う。だから、想像する力のない子どもに連鎖するんだろうな。2014/12/11
なっちゃん
22
買い物依存症、sex依存症…タイトル通り、依存する四人の女性の話。きっと誰でも、何かしらに依存しているはず。加減しだいと言うことですかね!?でも、自分の人生では知り得ない世界の話は面白かったです。それにしても、現実離れした風俗の話や心理描写に、リアリティがあると思ったら、経験者ゆえだった。2014/03/05