天安門よ、世界に語れ - 6月4日・中国の危機と希望の真実

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  • サイズ B6判/ページ数 232p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784390603416
  • NDC分類 302.22
  • Cコード C0036

出版社内容情報

激動中国からのメッセージ
新しい感性を代表する詩人、この間の政治的暗闘を自ら体験した改革派、中国屈指のルポルタージュの名手が、参加し、感じたままの生々しい6・4事件の真相と、引き継がれた遺産を世界に伝える衝撃の書。

「中国情勢は独特で、非常に複雑であって、なにが起こるか予想しにくい。しかし、確実なことが一つある。6・4虐殺は民主化運動に打撃を与えたが……人民の決意をも強化した……日本の侵略者が14年間も中国を占領したときでさえ、中国人民は真に団結しなかった。しかし、鄧小平はたった一日でそれを実現した」――劉賓雁
「装甲車が止まり、兵士が飛び下りてきた。突然、シュプレヒコールがやみ。数分間、死のような静寂が訪れた。人々は相変わらず(解放軍)兵士はゴム弾しか使わないだろうと思っていたが、命令一下、兵士は銃を構えて住民と学生に斉射をあびせ、住民と学生が倒れた」――徐剛
「これこそ鄧の性格の核心にほかならない。人間の尊厳と誠意に対する軽視は驚くべきものがある。……今回の民主化運動に直面すると(鄧)は『20年間の安定のために20万人を殺せ』と主張した」――阮銘

まえがき
 本書の三人の著者は年齢も経歴も異にするが、この十年余り、同じ道を歩んできた。それぞれ、抗日戦争時代(一九三七~四五年)、国内解放戦争時代(一九四五~四九年)、一九四九年の中華人民共和国の建国後に中国共産党に入党し、相異なる時期に相異なる形式で除名された。
 三人のうち、徐剛だけが北京における一九八九年の民主化運動に直接参加し、虐殺の行われた六月四日まで天安門広場に留まった。とはいえ、われわれ三人は、この十年余り、中国を襲った巨大な変化の分析にさまざまなやり方で深くかかわっており、本書はさまざまな角度からここ数十年間の中国について洞察を行っている。中国についてのわれわれの分析は、われわれの国を変革しようとする努力とないまぜになっていたし、いまなおそうである。今後は、中国史の最新の一章にできるかぎり早く終止符を打つべく、その本分を尽くしたいと思っている。

 一九八八年の春、アメリカ西海岸のいくつかの大学で行った講演で、私は、中国ではいつでも予期せざる事態が生起する可能性があること、一九八九年が、民主化を要求した五四運動の七十周年であるとともに、中華人民共和国建国四十周年にもあたっているので、中国が世界の注目の的になる可能性のあることを指摘し、それを機に中国の危機と希望が姿を現すであろうとも述べた。中国は奇蹟を生む国である。一九四九年、共産党指導下の軍隊は、はるかに装備が優れ兵力が上まわる国民党軍を打ち破り、政権を獲得した。そしていま、大陸、台湾、香港、さらに世界中の中国人が、奇蹟をもう一度再現しようと努力している。いまや、共産党指導下の三百万の軍隊は、武力による攻撃を受けているわけでもないのに、まったく身動きできないでいる。私は、中国で起こったことの本質は崩壊――古い社会構造、古い政治体制、古い社会関係、古いイデオロギーの崩壊――であると指摘したことがある。その過程はまだ完全ではないが、一九八九年六月の事件はその進捗を大きく促したのである。
 第一部は徐剛と私、第二部は阮銘、第三部は私が執筆を分担した。
  一九八九年八月二十五日 劉賓雁

天安門よ、世界に語れ――目次
第一部 北京の忘れえぬ春(強まる嵐/一人の死/もう一つの追悼集会/鄧小平――放火犯/知識人の役割/中国の新しいイメージ/核心における動揺――絶好の機会を逃す/五月十九目の国恥/血塗られた光景の思想/虐殺)
第二部 なぜ起こったのか(改革の登場/民主の壁運動と党内改革派の凱歌/党内の革命と反動/胡耀邦の改革の悲劇的な結末/趙紫陽、歴史的好機を逸す/鄧小平の遺産)
第三部 中国はどこへ行くのか(老人組/新種のテロリズム/愚かな決定/人民はむかしの人民にあらず/経済的な危機と後退/崩壊しつつある党/中国人民の団結を促した六四虐殺)

解説[矢吹晋]:訳者あとがき:主要人物略歴:関係略年表

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