内容説明
1933年1月30日、ヒトラーは首相に就任し、政権を掌握した。その日以降、ドイツの平均的市民は、ナチスの要求である“画一化”に対し、どのように反応したか。そして、青少年、学校、家庭、労働者たちの日常生活がどう変わったのか。本書は一人の若者の回顧から始まる。「村はカギ十字の旗で溢れた。…学校の様子も変わって行く。ヒトラー式の挨拶をする生徒や教師が増え…、そして、いつしか私も…」庶民の生の声を伝える興味ある記録。
目次
青少年(青少年の「画一化」;ヒトラー・ユーゲントでの日常;青少年と戦争)
学校
家庭
労働
物資の供給
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
2
ヒトラー政権成立後、庶民の生活はどう変わったか?を、「子供」「学校」「家庭」「労働」などに着目して分析。子供達や学校はヒトラーユーゲントに絡め取られ、女性は家庭に閉じ込められ、労働者はドイツ労働戦線に集約されたはずだったが、労働者だけは軍需産業の活況を背景し、待遇が改善し、発言力が強くなっていた。これにはナチスも手を焼くが、兵器の生産を維持するために余り手荒な事も出来ず、要求を飲んでいたという。この他、ナチスは子供や労働者といった、それまで発言権の無い階層に力を与えたために広範な支持を集めたらしい。2012/08/08