内容説明
中国を代表する大河長江は、中国四千年の歴史の目撃者であり、多くの詩人たちを、その流れのほとりに誘ってきた。「三峡」は日本人にもつとに知られた絶景であり、また春秋時代の呉越の故地である江南は、美しい自然と豊かな富とによって、滅び去った文明を今に偲ばせる。本書では、長江を下りつつ唐詩の名篇を尋ね、歴史を思い、詩人たちの心のくまを辿りながら鑑賞する。杜甫、李白、白居易、孟浩然、杜牧など、唐の名詩105篇を収録。
目次
1 蜀―万里橋と峨眉山(四川)
2 三峡―白帝城懐古(四川・湖北)
3 洞庭―岳陽楼に登る(湖北・湖南)
4 瀟湘―長沙と衝山(湖南)
5 嶺南―五嶺を越えて(広東・広西)
6 武漢―空しく余す黄鶴楼(湖北)
7 廬山―香炉峰の雪(江西・安徽)
8 金陵―六朝の興亡(江蘇)
9 揚州―青楼薄倖の名(江蘇)
10 呉越―蘇州と紹興(江蘇・浙江)