現代教養文庫<br> 超闘(スーパー) 死刑囚伝―孫斗八の生涯

現代教養文庫
超闘(スーパー) 死刑囚伝―孫斗八の生涯

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 292p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784390114653
  • NDC分類 289
  • Cコード C0193

内容説明

生命を法が奪うのは不条理だと告発し獄中で死刑廃止闘争を展開した在日朝鮮人の死刑囚・孫斗八。人権無視の監獄行政、死刑制度のあり方を問うと同時に、ひとりの人間として死刑囚の生きざまに体当りした体験の、壮烈なノンフィクション。また、1950年代の監獄の実情や、監獄職員、裁判官などの執行者、そして受刑者の日常生活や心理が実に生き生きと描かれている点でも、本書は第一級の記録文学といえる。

目次

日本のチェスマン
生いたち
兇行
第一審で死刑の判決
大阪拘置所は監獄闘争の花ざかり
ポシャゲた無実の訴え
拘置所長を告訴
第二審でも死刑
死刑確定
原告として法廷に立つ
死神との闘い
社会の扉を押し開く
監獄の人権を争う行政訴訟で勝訴
孫斗八の助命運動
社会からのきびしい風当り
孫斗八・第二の「所長時代」
恋人の登場
死刑訴訟の敗退、所長の交替
遂にやってきた死
葬式の参列者たち

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

46
死を死で贖うのは無意味かつ野蛮と頭では理解しながらも、私があと一歩で死刑廃止論に傾けず悶々としているのは、こういった事件や人間性に出会ってしまうからだ。世の中には死んでお詫びするしかない程、取り返しのつかない非道い行為や罪があるのではないか。でないと被害者はただひたすら殺され損だ。2017/09/03

gtn

9
温情をかけてくれた夫婦を金槌で殴り殺し、金品を奪った孫斗八。死にたくないばかりに、過ちを自己正当化し、獄中でもがき続ける。それを、人権闘争と勘違いし、孫を支援する左寄りの人たち。すべてが薄ら寒い。2019/04/21

かわうそ

2
40年以上前に初出版された本。昭和26年におきた事件の死刑囚のルポ。犯人である死刑囚は異様だが、それとは別に死刑制度を考える参考となる。2014/09/08

TakeROC

0
書籍が 24 年前、初刊行が 36 年前、刑死が 54 年前、主人公の誕生が 92 年前で、著者が 20 ~ 30 歳に経験した話なので、コンプラバリバリの現代とは隔世の感があるも、背骨にある死刑という量刑を考えざるえない作品です。私は死刑賛成。と書くと、元も子もないのですが、重罪人を隔離しておく場所の維持費を考えると、何か妙案はないかと思わざるえません。それがないので、現行制度の維持を。と思う次第です。罪を悔いる姿勢が見て取れない主人公の結末にはふさわしいと思いますが、人道的見地とし貢献する事実。深い。2017/06/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/180993
  • ご注意事項

最近チェックした商品