現代教養文庫<br> 仮面―ヨーロッパの祭りと年中行事

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現代教養文庫
仮面―ヨーロッパの祭りと年中行事

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  • サイズ 文庫判/ページ数 182,/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784390113656
  • NDC分類 386.3
  • Cコード C0139

内容説明

ヨーロッパの祭りに使われる仮面には、千年余の歴史を経てなお生きているものが多い。仮面はもともと農耕儀礼の聖具であり、土の香りがする一方、あやしげな魅力を放つ。本書では、百枚をこえる写真を駆使して、ヨーロッパの年中行事を紹介しながら、仮面にこめられた呪術的な意味にまで言及する。高度な近代文明の裏に脈々と生きつづける土俗文化に注目した著者が、度重なる取材旅行の末にまとめあげた労作である。

目次

神と霊の支配する世界
太陽の誕生日
訪れる神々
冬の追放
冬の埋葬
生きている仮面
甦る生命
豊饒の祈り

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

44
1990年刊。亡父の本棚にたくさんあった現代教養文庫。本書はブックオフの100円棚で見つけた。スイスやドイツの山岳地帯で受け継がれる仮面の解説と写真。色んな行事の話も興味深い。日本の天狗、能面、伎楽面に似ていたり、ナマハゲのような装束だったり。悪魔や精霊の仮面は恐ろしくて野性に満ち、人智を超えている。過酷な環境、閉じた共同体の暮らしを支えた異相の神々は、キリスト教の迫害をも生き延びた。冬を迎える時、寒さの山場を越えた時、春を迎える時、陽気で激しい祭の主役となる。土俗的な西洋は、実に野蛮で面白い。2021/12/06

紅咲文庫

14
“ヨーロッパは17世紀ころまで、ほとんど原生林の樹海におおわれ、限られた平野にまるで小さな島のように人里があった。(中略)しかし、戦争などのために少し放っておくと、たちまち森は生きている獣のように耕された農地を荒らし、農作業を不可能にし食料源を断ち、人びと を飢餓に落としこんだ” “森は恐怖であり、神秘であった” なんともしびれる文章だ。ここを読んで、赤ずきんのように森で逢う災難や森を抜けると別の国、みたいな描写が腑に落ちたんだった。で、掲載される仮面はなまはげ並みに素朴な迫力に満ちていて怖いです2021/09/12

ワッピー

9
古ヨーロッパの祭りは、キリスト教の祝日に姿を変えて生き残り、山間部の村々では、冬を追い出し、春の恵みを呼び込む不思議な仮面の祭りが今なお残る。この本は年中行事として1年を網羅した構成になっており、ルシア祭、メイポール、夏至祭といった断片的なワッピーの知識を面にしてくれました。昔から、秋田のナマハゲや沖縄のミルク神は「来訪神」だと認識していたので、この本に紹介されている様々な存在と同根だと感じました。写真も多く、たくさんの仮面を見つつ楽しく読み終えることができました。2018/07/07

吉田

1
写真も多く、資料的価値が高い。キリスト教とは違う、農作や季節感に根ざしたヨーロッパの民間信仰がよく分かる。2009/08/28

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