内容説明
『万載狂歌集』とは、江戸の狂歌人による最初の狂歌集で、古今の狂歌人の歌748首を収める。その題名は勅撰和歌集「千載集」に倣い、三河万歳をかすったもので、選者四万赤良(大田南畝)の見識と批評眼には優れたものがあり、江戸に空前の天明狂歌ブームを興した。本書は初めて全首に注釈をつけ、南畝の作り上げた江戸の戯作的世界の真髄を、上下2冊に分け現代の読者に提供する。
感想・レビュー
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まふ
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天明年間に最盛期となった狂歌の大スター四方赤良(よものあから、別名太田南畝、蜀山人)が朱楽菅江(あけらかんこう)とともに撰に当たった狂歌の一大選集。古今和歌集を始めとする名歌を基本に江戸の市民感覚で謳いあげたセンス溢れる歌集である。狂歌の歴史は連歌の場でのすさびものとして作っては捨てられてきたのがその嚆矢で、形として記録に残るようになったのは江戸時代中期らしい。その花が開いたのは明和年間(1770年代)田沼意次の時代に唐衣橘州(からごろもきっしゅう)が同好者を集めて開いた狂歌会とのことである。⇒下巻に続く2025/01/27
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