内容説明
殺人が発覚しないことはめったになくとも、真犯人がわからずじまいの事件は多い。また、「犯人」が逮捕され、事件に決着がついたと思われても、捜査過程の誤りや科学的分析の不正確さなどによって間違った判決が導き出された場合には、冤罪となったり、証拠不十分であったりして、結局真犯人は不明、ということになる。本書は謎を残している19の事件についての追跡調査レポートである。
目次
殺したのは誰か?(アダムズ医師と孤独な未亡人たち;リンドバーグの幼児誘拐事件;ウオレスは本当に妻を殺したのか;エドウィン・バートレット毒殺事件;斧で惨殺された両親;南仏キャンプ場の悲劇;連続殺人鬼「ゾディアック」)
何が彼らに起こったか?(フレディ・ミルズの死の謎;オーストラリア首相の失踪;山中で消えた赤ん坊;虚栄にとりつかれたヨットマン)
本ものか、偽ものか?(ルドルフ・ヘスの謎;チェスマンは、「赤い灯強盗」か?;オスカー・スレーターの冤罪)
事故(ボンベイ港の大爆発;ロンドン地下鉄衝突事故)
空と海の謎(落ちた赤ワシ;呪われたUボート;メイン号の爆沈)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
卍ザワ
1
未解決事件なだけに、迷宮入りものを集めた、解決編のない推理小説みたいなもので、読了後モヤモヤ感が残るのではないか、と思い読み始める。しかし、付記や後の調査結果が結末に描かれており、それが当時の裁判や警察の捜査を、やんわりと冷静に否定している。事件の概要も的確かつ簡潔に描写され、日本人によるこの手のもののような下品で、ジメジメした過度な猟奇性もなく、犯罪・もしくは事故の良質なルポルタージュとして、最後までだれることなく、興味深く読めた。それにしても、あのリンドバーグがナチスの信奉者だったとはなー…2012/09/23
madhatter
1
再読。未解決と一口に言っても、その実態は色々ある。例えば、法律上「犯人」のいないボーデン事件と、犯人の特定のしようがないゾディアック事件とは全く違う。斯様に、様々な意味での「未解決事件」を集めた本なので、時にもどかしかったり、消化不良になったりするかもしれない。しかし、犯人が見つからないということは、時にとても恐ろしいことだ。真犯人の存在が、イコール無罪の立証であることは、事実として少なくないと思う。2012/05/06
うたたね
0
これだけ科学が発達しても、冤罪はなくならないのだから、技術や法制度が整ってない昔なら、尚更だよなぁ。と言う感じでした。未解決ならではのもやもや感は残るものの、ドキュメンタリー番組を見ているようで楽しめました。2016/02/17
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