内容説明
1950年代、喜劇役者伴淳三郎は、一世を風靡した流行語「アジャパー」「いっぺえやっか」をたて続けにあみ出し、映画『二等兵物語』の大ヒット、“駅前”シリーズの連続ヒットで、スターの座にのぼりつめた。本書は、道化に徹して珍芸を演じ脚光を浴びたコメディアン“バンジュン”の実人生を調べあげ、再構成した実名小説であり、スクリーンの裏の悲しき人生を描く。
目次
1 母のおもかげ
2 映画俳優“伴淳”誕生
3 喜劇映画のスターの座に
4 『二等兵物語』から『駅前旅館』へ
5 失意と女と信仰と
6 永遠の旅立ち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gerogeC
3
三年ぶりくらいに本屋でふと気になって手に取りそのまま買った本。取り立てて贔屓にしている訳でもないが実人生にはかねてから何となくいい加減な興味のあった役者。スクリーンの裏側でも不本意に三枚目を演じ続けさせられた道化の笑えないほど滑稽な挿話の数々が骨身に沁みてやるせない。内田吐夢の受け売りのようだが、どれだけ役を作りこんだところで隠せるものではない地が結局はいちばんの魅力になってしまう俳優だという哀切まじりの称揚。2017/07/30
sasha
1
「喜劇役者」という言葉も聞かなくなった。「アジャパー」で一世を風靡し、晩年は味のある脇役を演じた伴淳。女性に目がなかったのは母性を追い掛けていたからなのか。私生活は恵まれなかったのだね。2012/06/25
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