内容説明
『寓話』でその名を不朽ならしめたラ・フォンテーヌだが、彼は『寓話』よりも早く『小話(コント)』の執筆をはじめていた。浮気女や寝とられた亭主、好色坊主などが、愛の騙し合いやアバンチュールの技を競うといった、ボッカチオやラブレーに素材を借りた風流小話が大部分ながら、さすが才気にあふれる巧妙な口調で語られ、独特の魅力にあふれた艶笑譚となっている。『寓話』作家の快楽主義者としての本性を存分に発揮した作品である。
目次
ジョコンダ―ロンバルディア王との魅力くらべ
リッチャルド・ミヌートロ―恋の手並み
殴られて喜んだコキュ―貞潔な奥方との忠実な従僕のペテン
聴罪司祭に化けた亭主―浮気女房が一枚上手
シャトーティエリで起こった事件―3人ともに得するためには
アテナイオスによる小話―美しい娘の父親はどちら?〔ほか〕