感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山がち
0
初期黄表紙集、全盛期黄表紙集、変革期黄表紙集と収録作品を眺めると、黄表紙というものがいかに短期間の間に動いているかというのを感じさせる。『江戸生艶気蒲焼』が『御存知商売物』の後というのはどうにも意外な感じがするが、半可通の伝統を守りうがっているのはまさに黄表紙といった体のようで面白い。一方で、『大悲千禄本』は千手観音の手を貸すという趣向が以外で楽しめる。霊験あらたかかと思いきやそんなこともなく、梵字しか書けないと言ったところは思わずくすりとなってしまうし、返ってきた腕にあれこれ問題があったのもまた面白い。2013/11/04