出版社内容情報
設楽國廣[シダラクニヒロ]
著・文・その他
内容説明
アブドゥルハミド二世西欧へのオスマン帝国の抵抗。アブドゥルハミド二世は、西欧中心的な歴史観から、しばしばイスラム主義者としての面を強調されてきた。本書は、オスマン帝国の西欧化と近代化に取り組んだ彼の姿に迫る。
目次
序章 アブドュルハミド二世統治以前のオスマン帝国
1 アブドュルハミド二世
2 アブドュルハミド二世統治初期の内外の情勢
3 第一次立憲体制
4 アブドュルハミド二世の専制政治
5 アブドュルハミド二世治世末期
終章 アブドュルハミド二世の廃位とその後
著者等紹介
設樂國廣[シダラクニヒロ]
1943(昭和18)年、東京都生まれ。東京教育大学文学研究科修士課程修了。都立高校教員を経て立教大学教員となる。現在、立教大学名誉教授、公益財団法人東洋文庫研究員。専門、オスマン朝・トルコ共和国史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
8
オスマン帝国末期のスルタン・アブドュルハミド2世の評伝。端緒に就いたばかりの憲法を停止し、専制政治を開始したことで有名だが、その根源として前スルタンらを陰謀で追い払った開明派に対する猜疑心があったことを指摘。またヒジャーズ鉄道建設を推し進めるなど、彼自身は西欧文明を拒否しておらず、決して時勢に逆らっただけの存在ではなかったことも描いている。ただ帝国を取り巻く厳しい国内外の情勢で、従来の勢力均衡政策を維持していくのはビスマルク以上の手腕が必要であり、遅かれ早かれ破局が訪れていたのであろうとも思う。2021/08/07
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