出版社内容情報
金城 正篤[キンジョウ セイトク]
著・文・その他
高良 倉吉[タカラ クラヨシ]
著・文・その他
内容説明
現代沖縄の自己認識は、近代沖縄の自己認識を前提にしてはじめて可能といえる。なぜなら、伊波普猷の「沖縄学」が近代沖縄の自己認識の集約されたものだからである。かれの三〇〇編余の論文と二〇冊を超える著書すべてが、沖縄を対象にしていることから理解できるように、伊波普猷はひたすら、沖縄を愛しつづけた。しかし、それにもかかわらず、敗戦の混乱のさ中に、脳溢血でかれは急死した。本書は、伊波普猷の学問的業績を読み取りつつ、近代沖縄史に深く立ち入って今日ある沖縄理解の入門書にしようとするものである。
目次
1 伊波普猷の人間像(伊波普猷の生い立ち;時代と学問の悩み;沖縄研究者の明暗)
2 伊波普猷の沖縄史像(沖縄人の祖先;海南の小王国;島津の侵入と支配;向象賢と蔡温;琉球処分)
3 伊波普猷の歴史思想(沖縄史像とその思想;民俗学との出会い;伊波普猷の批判と継承)
付録
著者等紹介
金城正篤[キンジョウセイトク]
1935(昭和10)年、沖縄県に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士課程修了(1967年)。現在、琉球大学名誉教授
高良倉吉[タカラクラヨシ]
1947(昭和22)年、沖縄県に生まれる。愛知教育大学卒業(1971年)。現在、琉球大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ジュンジュン
4
沖縄学の父と称された伊波普猷の生涯と思想を描く。が、政治家でも思想家でもない生涯学究生活を送った学者を、沖縄返還時に刊行された当時ならいざ知らず、今日「人と歴史」シリーズで復刻する価値があるのだろうか?内容も社会主義的批判が散逸するし…。「人と歴史”学”」と銘打つなら相応しいと思うけど。2020/04/25
ふら〜
0
伊波普猷の生い立ちから、彼の思想・考え方を解説。言語学(というかおもろそうし)からの沖縄の歴史の整理。薄めの本ではあるが中々骨太である。付録の奥さんへのインタビューも興味深い。批判も多いだろうが、沖縄に関する様々な学問について先鞭をつけた業績はやはり残るのだろう。2017/11/11
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