出版社内容情報
大牟田 章[オオムタ アキラ]
著・文・その他
内容説明
「アレクサンドロス大王」という名前の裡には、なにか人の心を捉え、惹きつけるものが潜んでいる。その名は、二三〇〇年余の昔、流星の光芒をもって歴史の天空をよぎり、そして瞬間に消えた。それは、個性の抑え難い衝迫に圧縮されて噴出した、新しい時代のエネルギーそのもの、ともいえた。若さは、いつの時代にも、既存に抗し、偸安を根底から覆す衝撃力である。アレクサンドロスは、おのれの可能性をほとんど無限に信じた。かれの前に道はない。かれが道をつくるのだ。それは星への道、「誉れ」への道であった。
目次
1 満ちてくる潮(期待と不安;黒い渦;ヘレスポントスのかなた)
2 疾風(結び目の謎;闘志;玉輦悲運)
3 羅針盤(黒い太陽;烽火;夢と現実)
4 見果てぬ夢(逃げ水;バビュロンの雲;一〇年の足跡)
著者等紹介
大牟田章[オオムタアキラ]
1933(昭和8)年、宮崎県に生まれる。京都大学文学部(西洋史学専攻)卒業。大阪教育大学、富山大学、金沢大学法文学部助教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ジュンジュン
4
懐かしい一冊。学生以来(20数年前)の再読(旧版)。でもまったく覚えていなかった(涙)。史上空前の大遠征、それを実現せしめたものを大王個人の"誉れ"・"情念"と推察。わずか33年で逝った生涯を丹念に跡づける。それにしても、遥か彼方2300年前の軍事作戦をここまで復元できるものだ。古来大王の壮挙に魅了され、記録研究が積み重ねられた賜物だろう。そしてこれからもアレクサンドロスは魅了し続けるはず。2019/11/15
Masa03
2
時代だよな。 元は1975年刊行の書を一部改訂した本書。 まぁ、そろそろ半世紀前なので、「わが国にはアレクサンドロス史についてのまとまった単行本はまだなかった」という状況だけでも大きく変わっている(ディアドコイの一人が主人公とはいえ、漫画もあるし)。 とはいえ、内容が古臭いわけではなく、今読んでも辛くない。 そして、政治家として他国を征服したのではなく、自身の栄誉のために遠征したとする着眼点は今でこそ普通だが、当時としては卓越した視座だったと思われる。 それを噛みしめるだけでも読む価値はあると思う。2024/07/02