出版社内容情報
勝藤 猛[カツフジ タケシ]
著・文・その他
内容説明
一二世紀のなかごろ、モンゴル族という、当時、未開の民としてこの世に生まれ、幼くして父を失う逆境の中から身を起こし、モンゴル族を統一して、東アジアや西アジアの文明地域を支配下に収め、ユーラシア大陸の大草原や諸都市を馬蹄の下に踏みにじり、文明の破壊とともに、東西交通の発展をもたらした成吉思汗。この成吉思汗についての著作は昔から数多いが、本書はそうした研究成果の上に立って、あえて著者自身の成吉思汗像を世に問おうとするものである。
目次
1 草原の世界(世界史上の遊牧民;モンゴル族の開国伝説)
2 王者への道(成吉思汗の登場;成吉思汗国家の組織)
3 世界の征服者(城郭都市への攻勢;西域遠征)
成吉思汗―その人と国家
著者等紹介
勝藤猛[カツフジタケシ]
1931(昭和6)年、徳島市に生まれる。京都大学文学部(東洋史学専攻)卒業。同大学大学院文学研究科修士課程修了。大阪外国語大学教授・岩手県立大学教授を経て、大阪外国語大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ジュンジュン
6
序盤は耳慣れない人名や部族名につまずくが、チンギスハンに推戴(モンゴルを統一)されて征服事業に乗り出してからは、やっぱり面白い。モンゴル軍の最大版図から考えると征服途上といった感じで、13世紀全般を視野に入れないと彼の業績を正しく位置づけ(歴史的な意味で)られないように思えた。また、当初文字を持たなかった帝国の創業者ならではで、彼の人間的魅力はなかなか見えてこない。2020/03/12
Masa03
1
義経の入り込む余地なくない? チンギス・ハーン。大航海時代以降の国家としての大帝国を除き、個人として最大の領土を征服した者。 しかし、それ故に死後、大帝国は分裂する。 その辺り近代以後の国民国家の意識を持っていると不思議に思えるが、本書終章にあるとおり、あくまでもチンギス個人の所有物としての征服地とするなら、そして遊牧民族の分割相続の観点から見れば当然となる。 チンギス・ハーンの征服以後、大陸の東西が繋がり地域史から世界史になったという言説を聞いたことがあるが、すぐに分裂、抗争したことをどう考えるか。2024/06/08
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