出版社内容情報
金田 法子［カネダ ノリコ］
著・文・その他
内容説明
本書では、厳しい貧困や眼病、娘の精神の病の発症など様々な困難と戦いながら生きたジョイスの生涯を辿り、彼の語るアイルランドの歴史を紐解きながら、人間ジョイスを考え、その思想の背景を探っていく。
目次
１ ジョイスの生涯（家系；誕生～幼少期；小学校時代―教会への反発の素地の確立；中学校・高校時代―教会への反発から憎悪へ；大学時代；大学卒業以降；自発的亡命；作家ジョイスの誕生―『室内楽』；『ダブリンの市民』―発刊；著名作家へ―『若い芸術家の肖像』；世界的作家へ―『ユリシーズ』；『ユリシーズ』以降）
２ ジョイスの文学作品・文学手法（文学作品；文学手法；文学に対する姿勢）
３ ジョイスとアイルランド史―概観（古代から十九世紀まで；十九世紀以降のアイルランド）
著者等紹介
金田法子［カネダノリコ］
岡山大学大学院博士後期課程修了（文学博士）。法政大学大学院博士前期課程修了（経済学修士）。アイルランド政府産業開発庁東京事務所、アイルランド銀行ダブリン本店海外法人企業部、及びアイルランド政府産業開発庁ダブリン本庁市場調査部等、アイルランド政府及び金融機関にて計１５年間勤務。著書：『ジョイスの戦争―短篇集「ダブリンの市民」の作品「姉妹」「恩寵」にみる教会批判』（中央公論事業出版）２０１５年、『人と思想・ジェイムズ・ジョイス』（清水書院）２０１６年、『アイルランド―１０余年の滞在記』２０２２年（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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ルンブマ
4
ホッチキス。それは暴力的だが、即効性があり、直線的な時間は保証してくれる。ホッチキスとは何か。最近、アウトライナーとかが幅をきかせているが、そんなふうに頑張りたくね〜って人のために、改めてホッチキスについて考えたいと思う。アウトライナーに対抗する手法とは「ホッチキス的手法」である。それは、要はジョイスの「内的独白」である。内的独白とは、小説において表面上は語られない登場人物の意識内容及び経過を表現する技法であり、人物の心的経過が言葉に変換される前段階の意識の経過を頭に浮かぶ順序で伝えようとするものである。2020/11/24
水紗枝荒葉
0
手頃なジョイスの伝記。さっと読むには良い本だが、見立てや書き方が雑な部分も多い。特に1904年までの記述には疑問が残る。というのも、ジョイスの半自伝的作品『スティーヴン・ヒアロー』『若き芸術家の肖像』をさも史実のように引用しているからだ。小説の描写と作者の実経験との間の類似／相違が気になって本書を手に取ったのだが、そのような問題意識を満たす本ではなかった。小説を引用する前に裏取りするか、せめてもっと慎重に引用して欲しい。詳しく知りたい方はリチャード・エルマン『ジェイムズ・ジョイス伝』などを参照のこと。2024/06/06
よだみな
0
コンパクトに知りたいのであれば、ちょうどいい分量であった。上下2巻の伝記を読みたくないので、ありがたい本であった2022/03/16
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