出版社内容情報
菊地 多嘉子[キクチ タカコ]
著・文・その他
目次
1 カルメル会入会まで(マルタン家の人々とテレーズの幼年時代;人生の第二期;神のみを求めて)
2 信頼とゆだねの道(無の体験;愛による解放;「小さい道」の発見)
3 死を予感しつつ(新たな上昇;「私の天職、それは愛です」;暗い夜に)
4 永遠の光へ(聖母マリアとテレーズ;「天国の扉を前に」)
著者等紹介
菊地多嘉子[キクチタカコ]
コングレガシオン・ド・ノートルダム修道女。帝国女子医専卒。東北大学医学部第三内科入局。修道会入会。モントリオール大学神学部、ラヴァール大学神学部カテケーシス研修所卒。ドミニコ大学でキリスト論研修(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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松本直哉
26
強圧的な修道院長や嫉妬深い修道女たちなど、娑婆の世界と少しも変らない修道院の生々しい人間関係が率直に描かれているだけに、その只中にあって、終始快活と従順を忘れずに、ただ神への愛に生きたテレーズの姿がなおさら鮮やかに浮び上がる。神の前にすべてをからっぽにして自らを差し出す態度はカルメル会の先達十字架の聖ヨハネを受け継ぐと同時に、一世代あとのシモーヌ・ヴェイユにも通じるかもしれない。わずか24年の小さな花のようにつつましい生涯が、いまだに多くの人々を惹きつけてやまない理由がわかるような気がした。2023/07/29