出版社内容情報
梶原 寿[カジワラ ヒサシ]
著・文・その他
内容説明
一九六三年八月二八日ワシントン大行進において「私は夢を持つ」スピーチを行ったマーティン=ルーサー・キングは、一九六八年にテネシー州メンフィスで暗殺され三九歳の生涯を終えるが、一九八六年からは彼の誕生日が国民の祝日として制定実施されるに至り、「アメリカの夢」の使徒としての声価が定まったかに思われている。だがキングがその生涯の最後に目ざしたものは、物指向のアメリカ社会の構造と価値観を根底から覆えして、人間指向の「愛の共同体」に再創造することであった。いったいキングにおけるこのラディカリズムの源泉は何であろうか。本書はこの秘密に、あらゆる危機の時に彼を根底から支えた奴隷制以来の黒人キリスト教の信仰伝統に視点を据えながら、迫ろうとする企てである。そして彼の抱いた夢が、単なるアメリカの夢を越えた人類の夢でもあることを解明する。
目次
1 アトランタからボストンへ(少年時代;モアハウス時代;クローザー時代;ボストン時代)
2 万人の自由を求めて(時は満ちた;ローザ=パークス逮捕事件;ホールト‐ストリート講演;コーヒーカップの上の祈り;自由への闘い)
3 公民権運動の進展(投票権をわれらに;モンゴメリーからアトランタへ;非暴力直接行動)
4 公民権法の成立(バーミングハムの闘い;バーミングハムの獄中からの手紙;私はそれでもなお夢を持つ;悲劇を越えて)
5 孤独への道(ベトナム反戦への道;貧者の行進に向かって)
著者等紹介
梶原寿[カジワラヒサシ]
1932(昭和7)年山梨県に生まれる。日本基督教団牧師。名古屋学院大学学長・理事長を経て、同大学名誉教授。2014年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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