出版社内容情報
浅野 栄一[アサノ エイイチ]
著・文・その他
内容説明
人間の幸福とはなにか。それを愛と美と真の享受と捉えたケインズは、生涯をかけてみずからそれを追求するとともに、すべての人が幸福を実感しうる社会をつくろうと政治・経済・芸術などの広い分野で全精神を傾けた。たしかに福祉国家はケインズなしにもつくられたことであろう。しかし、かれによる経済理論の革新とそれに基づく新しい経済政策の唱導がなかったら、その実現のために世界はもっと多難で遅々とした歩みを経験したにちがいない。第二次世界大戦後、「ケインズ時代」とよばれるケインズ経済学隆盛の一時期があったが、時代環境の異なる今日のわれわれは、現代の目でかれの業績を再評価し、その正統な遺産を正しく受け継ぐ必要があろう。
目次
1 知的雰囲気の中で(ハーヴェイ‐ロードの既定観念;新思想の摂取;社会的活動のはじまり)
2 イギリス経済の再建にむけて(新時代への出発;金本位制度をめぐる戦い;多彩な生活と活動)
3 世界恐慌と経済学の革新(世界恐慌の衝撃;新しい経済学の誕生;ケインズの資本主義観)
4 諸国民の協調と繁栄を求めて(戦争経済への道;戦後国際経済の再建にむけて)
著者等紹介
浅野栄一[アサノエイイチ]
1929(昭和4)年、東京に生まれる。東京商科大学卒業。国学院大学、中央大学教授を歴任。現在、中央大学名誉教授。経済学博士。経済理論、経済学説史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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